カフェ開業希望者にネット講座 アキチ、「DRIPUP」試験運用

 
カフェ開業志望者向けに開業・運営のノウハウを学べるオンライン講座「DRIPUP(ドリップアップ)」

 飲食店のプロデュースを手掛けるアキチ(東京都港区)は、カフェ開業志望者向けに開業・運営のノウハウを学べるオンライン講座「DRIPUP(ドリップアップ)」の試験運用を始めた。実技のほか、資金調達や現役オーナーのインタビューなど、多様なコンテンツで開業に必要な知識とスキルを学ぶ。講座を通じて長く続けられるカフェの開業を支援する。今後、改良を重ねて年内に正式オープンし、初年度5000人の会員獲得を目指す。

 ドリップアップは、パソコン、スマートフォン、タブレットに対応し、いつでもカフェの開業・運営について学べる。全国のカフェオーナーのほか店舗デザイナー、税理士などの専門知識を持つ講師が開業に必要なノウハウを披露する。会員登録すれば誰でも無料で利用できる。

 動画はコーヒーのいれ方などの実技・知識、税理士などの専門家による資金調達の方法、店舗デザイナーによる内装、現役オーナーが語る体験談など50以上の動画がそろい、体系的にカフェ開業を学べる。

 目玉となるコンテンツは、現役カフェオーナーの体験談。「カフェオーナーは脱サラした人が多く、苦労する共通点がある。これを知っていれば開業の参考になるということが多い」と三瓶拓社長は語る。

 従来、開業志望者は書籍を読んだり、スクールに通って準備をしていた。しかし書籍だけでは不十分で、スクールは費用や場所の制約で通える人は限られている。その点、オンライン講座は手軽に学べる上に、実技も動画なので分かりやすくなっている。

 三瓶社長は学生時代に東京・高円寺でカフェバーを経営した経験がある。地域の人々から親しまれていたが、飲食店プロデュース事業に取り組むため店を畳んだ。その後、プロデュースに従事しながら2012年に、イベントスペースを兼ねたカフェを再び運営しはじめた。

 厚生労働省の生活衛生関係営業経営実態調査によると、開業から1年で約半数のカフェが閉店している厳しい現実がある。三瓶社長は「コーヒーがおいしいだけでは駄目。最初の1年を乗り切る運営資金をどうするかなど、基礎的なことを改善できれば生き残れる確率が上がる」と万全の準備の重要性を説く。

 今後、コンテンツを充実させるほか、オフラインでの開業セミナーなども開く。将来的には準備から開業、機器・食品販売、販売促進までカフェ経営をトータルでサポートしていく。