国債資格返上 要否や時期、速やかに判断 三菱UFJ頭取初言及

 

 三菱東京UFJ銀行の小山田隆頭取は10日、大阪銀行協会会長の就任会見で、国債入札で優遇措置を受けられる特別資格の返上について、「さまざまな観点から検討している」と表明した。同行トップが資格返上の検討を公式に言及したのは初めて。返上の要否や時期は「速やかに判断したい」と述べるにとどめた。

 特別資格は「国債市場特別参加者」と呼ばれ、財務省が3メガバンクと大手証券19社に与えている。財務省と意見交換できる利点がある一方、全ての入札で4%以上の応札を義務づけられている。

 日銀が2月中旬に導入した「マイナス金利政策」で市場金利は大幅に低下し、10日には10年債利回りが過去最低を更新。小山田氏は「(貸出金利から預金金利を差し引いた)利ざやが圧縮され、国債の落札業務を全て履行するのは難しい」と説明した。

 三菱UFJが資格返上を検討するのは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)の3月末の国債保有残高が28.3兆円(傘下銀行合算)と突出して高いためだ。みずほFGは15.6兆円(同)、三井住友銀行は9.8兆円にとどまる。

 日銀の黒田東彦総裁は追加の金融緩和を示唆し、さらなる市場金利の低下が懸念されているが、小山田氏は「副作用も総合的に勘案する必要がある」と牽制(けんせい)。市場の一部で噂されている日銀が銀行への貸し出しにマイナス金利を適用する案についても「ハードルの高い話」と疑問視した。

 また、生命保険協会の筒井義信会長(日本生命保険社長)も同日の記者会見で、望ましい金融政策について「さらなるマイナス金利幅の拡大や国債買い入れの増額よりも、できれば上場投資信託(ETF)の買い入れ額を増やしてほしい」と求めた。