「水素よりエコ」 日産のバイオ燃料電池車、4年後市販へ
記者会見する日産自動車の坂本秀行副社長=14日午後、横浜市
日産自動車は14日、サトウキビなどからつくるバイオ燃料で発電してモーターを駆動させる燃料電池車(FCV)を開発すると発表した。バイオ燃料を使うことで環境に負荷をかけず、水素ステーションの制約を解消する。発電効率の高い燃料電池を使い、現行のFCVよりも車両価格を引き下げる見込みだ。今夏にも試作車を公開し、平成32年の市販を目指す。
日産は電気自動車(EV)をエコカー戦略の中核に据える。坂本秀行副社長は記者会見で、「EVの苦手とする車体の重い大型車や長距離走行が必要な車種に搭載したい」と述べた。
FCVは水素と酸素を化学反応させて発電し、走行時に二酸化炭素(CO2)を排出しない究極のエコカーとされる。トヨタ自動車が26年12月に初の量産FCV「ミライ」を発売し、ホンダも今年3月にリース販売を始めた。
トヨタやホンダは水素をタンクに充填(じゅうてん)するが、日産は車内でバイオ燃料を化学反応させて水素をつくる仕組みを採用。水素をつくる際にCO2は発生するが、成長過程でCO2を吸収する植物由来の燃料を使うことで相殺できるという。
南米などではバイオ燃料が給油所で補給できるため入手しやすい。国内では流通していないが、水素ステーションのようなインフラ整備が不要で「普及の可能性はある」(日産)。
また、白金など触媒が不要な高効率の燃料電池システムを使用する方針。1回の燃料補給で600キロ以上走ることができるうえ、触媒や高圧の水素タンクなど高価格な部品を省く設計にして「32年にはEVに近い価格まで引き下げられる」(坂本氏)。
高効率の燃料電池システムは高温で作動するため、部品の耐久性などの課題がある。日産は大学などと連携して対策を検討し、市販を実現する考えだ。
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