地銀協会長に静岡銀の中西頭取就任 マイナス金利で「先見えぬ」

 
記者の質問に答える地銀協の中西勝則会長=15日、東京都中央区

 全国地方銀行協会は15日、静岡銀行の中西勝則頭取が新会長に就任したと発表した。中西会長は同日開いた記者会見で、日銀のマイナス金利政策に関連し、「厳しく難しい、先の見えない時代に入った」と述べ、低金利下での地方銀行経営の厳しさを強調した。

 地銀協の集計によると、2017年3月期の地銀61行の最終利益は前期比17%減になる見通し。マイナス金利の影響で、貸出金の利ざやが縮小し、本業の貸し出しで稼ぎにくくなっていることが背景にある。中西会長は「住宅ローンなどの資金を円滑に出していく中で、できるだけ金利競争に陥らないことが必要だ」と述べ、コンサルティング強化に取り組む考えを示した。長期金利が4営業日連続で過去最低を更新していることに絡み、「債券への投資は難しくなる」とも指摘した。

 一方、マイナス金利政策の効果そのものについては「住宅や不動産に少しずつ出ているような気がする」と述べるにとどめた。また、金融庁が銀行の窓口で販売される保険商品の手数料開示を求めていることについて、「反対や賛成という立場にない」と述べるにとどめた。