三菱自、補償総額は最低でも1000億円 経営に大打撃
三菱自動車で発覚した燃費不正問題の代償はやはり大きかった。軽自動車4車種など燃費データの改竄(かいざん)があった車種への補償額は低く見積もっても約650億円。さらに、別にエコカー減税の追加納付や不正で軽生産が止まった部品メーカーへの賠償なども必要になる。補償総額は最低でも1000億円にのぼり、経営に大きな打撃を与えそうだ。
「一連の問題でお客さまに大変なご迷惑をかけた」
17日、記者会見した三菱自の益子修会長は、不正を改めてこう陳謝した上で、データ改竄があった車種の所有者に、不正のおわび代を上乗せした賠償金を支払うことを明らかにした。
三菱自は先月25日、軽4車種の賠償費用の支払いを先取りする形で2016年3月期決算に約150億円の特別損失を計上。17年3月期に残りの500億円超を特損として処理する
「
ただ、補償に伴う損失はもっと膨らむ見通しだ。
国が独自に進める燃費測定の結果次第では、エコカー減税の国への返納分が増える可能性がある。さらに不正発覚で軽の生産が止まったことに伴う下請け部品会社への損失補償も必要だ。三菱自が軽を供給している日産自動車では、不正の発覚後、販売店で軽を売れない「機会損失」が生じており、その分の補償もかさむ見通しだ。
三菱自の16年3月末の現預金は約4600億円あるが、補償が雪だるま式に膨らめば財務の悪化は避けられない。しかも、リコール隠し問題から立ち直りつつあったブランドは燃費不正で再び失墜し、顧客離れに歯止めがかからない。
益子会長は会見で「二度と不正を起こさないよう再発防止に取り組む」と言い切った。その言葉通りに体質を変えられなければ三菱自のブランド再生は到底見込めない。(今井裕治)
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