千葉銀行 地方創生への取り組み(3)

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法人営業部推進支援グループの本庄敏彦・調査役

 ■持続的な地域活性化事業に融資

 千葉銀行が、地方創生の支援に向けて「ちばぎん地方創生融資制度」の取り扱いを始めたのは2015年11月。同制度は、千葉県または千葉県に隣接する地域で、創業または新規事業を行う事業者を対象に、本支店一体となって事業の成長性や事業計画の妥当性などの事業性評価を行い、事業に必要な資金を融資する。

 運転資金は最長10年、設備資金は最長20年と長めの返済期間を設けていることに加え、事業開始から安定した利益が計上できるようになるまで、最長3年間の元金返済据置期間を設定。これにより、新規事業が軌道に乗るまで資金繰りを安定させることができる。

 「たとえ実績がなくても、技術力、商品力、サービス力、市場の成長性などが見込まれるビジネスの事業性を積極的に評価して、柔軟に対応を検討していこうと考えている。研究開発に多大なコストがかかるベンチャービジネスや、ビジネスモデルを転換するため大規模改修に取り組む観光地の旅館・ホテル業、千葉県の基幹産業である農業、そして医療機関をはじめ地域生活の基盤づくりにつながる事業など、地域社会の持続的な発展および活性化につながるさまざまな事業をこの融資制度を活用して応援していきたい」。法人営業部推進支援グループの本庄敏彦・調査役はこう話す。

 第1号案件は千葉県香取市の農業法人「東総みどり農産」が新事業として手掛ける、付加価値の高い畑作農業だ。大規模農地の購入資金として、元金返済据置期間3年を含む23年の長期資金を実行した。東総みどり農産の立ち上げは2009年の秋。千葉緑環境システム(千葉県千葉市)が製造する有機肥料を活用する目的で設立された。

 東総みどり農産に出資する千葉緑環境システムは、食品リサイクル法に基づき、食品メーカーの工場などから排出される食品廃棄物を受け入れ、安全かつ高品質な有機肥料にリサイクル。生産した有機肥料を安価で地域の農家に提供している。廃棄物の処理能力は1日160トン。県下随一の規模を誇り、関東でも5本の指に入る代表的な産業廃棄物の中間処理業者だ。

 現在、有機肥料を提供する契約農家は200軒を超える。環境に配慮した有機肥料は生産品の品質向上にもつながるということから、契約農家軒数は増えている。一方、CSR(企業の社会的責任)の観点から循環型社会への関心が高まったこともあり、中間処理事業は順調に成長。食品工場から受け入れる食品廃棄物の量も年々増加している。製造した有機肥料を効率良くさばくため、契約農家への配送を受け持ち、ときには作付時期に合わせて散布まですることもあるという。

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 (編集協力)近代セールス kindai-sales.co.jp