ロッテHD、3度目の兄弟対決 韓国ロッテ裏金疑惑の影響は?
経営権をめぐり創業一族の争いが泥沼化しているロッテホールディングス(HD)が25日に東京都新宿区の本社で定時株主総会を開く。創業者の重光武雄名誉会長(93)の長男で元副会長の宏之氏(62)が、3月の臨時株主総会に引き続き、武雄氏と自らの経営復帰と、弟で副会長の昭夫氏(61)ら現経営陣の一掃を求める株主提案を行う。昨年8月と今年3月の株主総会では、昭夫氏が株主の信任を得たが、10日に韓国ロッテグループの裏金疑惑が発覚。韓国ロッテ会長を兼務する昭夫氏への影響が注目される。
「昭夫は早く韓国に戻って、疑惑について釈明すべきだ」。18日、東京都内のホテルで開かれたロッテ財団の会合で、約3カ月ぶりに昭夫氏と顔を合わせることになった宏之氏は報道陣にこう強調した。10日の疑惑発覚後、宏之氏はロッテHDの筆頭株主で資産管理会社「光潤社」の社長として、昭夫氏ら現経営陣とロッテHD第2位の株主であるロッテグループ従業員持ち株会の3者による緊急協議を要求。日韓ロッテのトップである昭夫氏が説明責任を果たしていないと重ねて批判した。
宏之氏が株主の過半数の支持を取り付けるために、総会で鍵を握るのが従業員持ち株会である構図は3月の総会時と変わらない。議決権ベースで光潤社と宏之氏、武雄氏の保有株式は3割強に達しているが、約28%を保有する従業員持ち株会が賛同しなければ過半数に届かないからだ。3月の総会前には宏之氏が経営復帰した場合、私財1000億円を投じ、社員と家族を対象とした福利厚生基金の設立構想も披露した。ただ、従業員持ち株会の賛同は得られなかった。
25日の総会に向け宏之氏は、韓国検察の捜査も入っている裏金疑惑を強調することで、昭夫氏が主導するロッテHDの経営刷新という自らの主張の正当性を訴える考えだ。
1年半で3度目となる株主総会での対決に加え、日韓両国での法廷闘争の長期化や裏金騒動で従業員の士気低下や一層のブランドイメージの悪化は避けられない。企業価値は確実に悪影響を受けている。(永田岳彦)
ロッテグループお家騒動の経緯
2015年
1月8日 重光宏之氏がロッテホールディングス(HD)副会長を解任される
7月15日 重光昭夫ロッテHD副会長に代表権を付与
27日 宏之氏が重光武雄ロッテHD会長(当時)を伴い、昭夫氏らの解任を通告
28日 ロッテHD取締役会で武雄氏を代表取締役会長から名誉会長とする人事を決定
8月17日 ロッテHD臨時株主総会で昭夫氏を中心とした現経営陣続投が信任される
9月17日 昭夫氏が韓国ロッテグループの事実上の持ち株会社ホテルロッテを上場させる方針を表明
10月2日 武雄氏が7月28日の取締役会決議の無効確認を求める訴訟を起こす
8日 宏之氏が武雄氏の委任を受け、昭夫氏らを相手取り、日韓両国で訴訟を起こすと会見で発表
14日 ロッテHDの筆頭株主の資産管理会社「光潤社」が昭夫氏を取締役から解任。宏之氏が社長に就任
11月12日 宏之氏がグループ4社に約6億2000万円の損害賠償請求訴訟を起こす
2016年
2月12日 宏之氏が記者会見で経営陣刷新などを提案するため臨時株主総会の開催を要求
3月6日 ロッテHD臨時株主総会で昭夫氏の続投が信任。宏之氏の株主提案は否決
6月10日 韓国検察が裏金疑惑で韓国ロッテグループの捜査に着手
25日 ロッテHD本社で定時株主総会が開催予定
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