大物社外重役が発言「みんなウソ。孫さんは辞めません」

株主総会詳報・ソフトバンク(3完)
モニター画面に映し出された、株主総会であいさつするソフトバンクグループの孫正義社長=22日午前、東京都千代田区

 株主からの質疑では、孫正義社長(58)の在任期間、後継者についての質問が会場を沸かせた。

 一般株主 「今回は選任案が取り下げられたが、ニケシュ・アローラ副社長については昨年は反対とさせていただいた。それはアローラ氏個人の問題ではなく、孫社長の後継者は人類の中にはいないと思ったから。99歳までやっていただきたい。先ほどの説明のように、ロボットが人間の知能を超えるのなら、後継者はロボットにしたらいい」

 これに対し、孫社長は従来、公にしていた60代での引退を強調した。

 孫社長 「19歳の時、60代でバトンタッチすると決めていた。69歳までは60代だが、しがみついていると言われたくなかったので60の誕生日に辞めようと考えていた。現在も、69歳までには社長、CEOというタイトルは譲ろうと思っている」

 話は再び、アローラ副社長退任の件に戻る。

 孫社長 「鏡を見てさらに毛が抜け、真っ白くなったのに気づき、今回悩んだなあ、と思い知らされた。彼(アローラ氏)が一番の被害者で、本当に申し訳なかった。高給を取りすぎているという声もいただいたが、彼はグーグルでも報酬は1番高かった。そのままいれば安泰のところを、リスクを犯し、人生を懸けて来てくれた。それなのに、私のわがままを聞いてもらった。絶対そうする(60歳で禅譲)という確約は彼にはしていなかったが、申し訳ないことをした。私が老害になってはいけないが、十分見極め、最低5年、おそらく10年近くは社長のまま行きたい。今回の決意だ」

 会場から拍手が起きる。アリババ集団(中国)の株売却があって、孫社長とアローラ氏の意思疎通がうまくいかなかったのでは、という質問も出たが、否定した。

 孫社長 「緊密にやり取りしながら実行した。社長を続けたいという私の腹が固まったのは、この数週間のことだ」

 決断に当たり、社外取締役の柳井正・ファーストリテイリング会長兼社長、永守重信・日本電産会長兼社長に「貴重なアドバイス、ご指導を仰いだ」として、2人に発言を促した。ここで、2人の大物経営者が登場し、会場は盛り上がる。

 柳井正氏 「孫さんみたいな人はいないんだから、次はチーム経営しかない。『60歳になってないのに引退とは冗談じゃないぞ』と申し上げた」

 永守重信氏 「年齢の話ばかり出るが、私は古希を迎えている。経営意欲は年齢ではない。孫さんが60歳になったらやめるとか、血迷っているんじゃないかと思った。私は体力、精神的で若いやつには絶対負けないと意欲的にやっている」

 そして、69歳までに辞めるとした孫社長の決意にも、疑問を呈す。

 永守氏 「今回も、私は最初から絶対辞めないと思っていた。69歳になったら、また10年やりますよ。そういう経営者でなければ、こんな立派な会社にはできない。孫さんの言うことはみんなウソですから」

 出席株主数は2191人。全議案が原案通り可決され、総会は記録のある平成16年以降で過去最長の2時間50分で幕を閉じた。

(おわり)