「飛鳥II」グランドクルーズで酒蔵ツーリズム
Sakeから観光立国□平出淑恵(酒サムライコーディネーター)
郵船クルーズ(横浜市西区)が所有する日本最大のクルーズ客船「飛鳥II」の就航25周年記念の日本一周グランドクルーズで、筆者は船上講演を行い、20日に能代港(秋田県能代市)に寄港した際、酒蔵訪問の企画・コーディネートに携わった。
今回は国内とロシア、台湾の19カ所を33日間かけて巡る。乗客定員は約800人。乗務員470人余りが乗船してサービスを提供しており、乗客2人に乗務員1人以上と、まさに洋上を旅する超一流ホテルだ。
乗客は、ほとんどがリピーター。飛鳥IIの100日を超える世界一周クルーズを経験し、世界各国の観光地を巡る旅の上級者も多い。
能代港から「太平山」の銘柄で名高い1879年創業の小玉醸造(秋田県潟上市)を訪れた。みそやしょうゆも醸造し、「ヤマキウ秋田味噌」は秋田県内一の生産量を誇る故郷の味だ。
小玉醸造にバスが到着すると小玉真一郎社長と着物姿の2016ミス日本酒秋田代表、千葉紗央律さんが出迎え、小玉社長自ら酒蔵としょうゆ醸造蔵を案内した。
重要文化財に指定されている「小玉家住宅」をこのツアーのために昼食会場に提供。主屋を取り囲む素晴らしい庭園を眺めながら、数々の賞を受けた太平山の4銘柄と、地元秋田の旬の食材をふんだんに使った秋田キャッスルホテルの特別メニューを堪能した。
ツアーに同行した郵船クルーズの高橋幸男取締役ホテル部長は、「小玉真一郎・英子夫妻のおもてなしの心と、乗船されたお客さまの日本酒に向けた探究心の究極のマリアージュとなった」と顔をほころばせた。
ワインツーリズムで、グローバルなワイン産業が世界的に著名なワイン産地を潤すように、日本酒を世界的な酒にすることで地方にインバウンド(訪日外国人観光客)を増やしたいと願う筆者にとって、飛鳥IIの豪華なクルーズに酒蔵ツーリズムが組み込まれたこと自体、大変ありがたい機会となった。
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【プロフィル】平出淑恵
ひらいで・としえ 1962年東京生まれ。83年、日本航空入社、国際線担当客室乗務員を経て、2011年、コーポ・サチを設立、社長に就任。世界最大規模のワインコンペティション、インターナショナル・ワイン・チャレンジの日本代表。観光庁酒蔵ツーリズム推進協議会メンバー、一般社団法人ミス日本酒顧問などを務める。
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