東北6県の祭りを都心で 11月に虎ノ門ヒルズ周辺で実施検討
東北6県を代表する6つの祭りが11月に東京で一堂に集まって開催する方向で最終調整していることが27日、分かった。東北の魅力を訴えて観光客を呼び込み、東日本大震災からの復興につなげたい考え。超高層複合ビル「虎ノ門ヒルズ森タワー」周辺の再開発地区で実施することを検討している。
催されるのは、青森ねぶた祭、盛岡さんさ踊り、仙台七夕まつり、秋田竿灯(かんとう)まつり、山形花笠まつり、福島わらじまつりの6つになる見込み。東北ではこれら6つの祭りが集まる「東北六魂祭」が2011年から毎年実施されてきた。
六魂祭は東日本大震災の犠牲者の鎮魂や復興を願い、仙台市を皮切りに、盛岡市、福島市、山形市、秋田市の順に開かれ、今月25、26日の青森市で一巡した。
東北の県庁所在地6市などでつくる実行委員会は27日、現在の形式での六魂祭は今年で終了すると正式に発表した。地元の財政負担を抑えるため規模縮小を検討した上で、震災の風化防止に向けて6つの祭りが連携した後継イベントを開催する方向だ。
東京での会場には、14年に開通した都道環状2号線の新橋-虎ノ門間(新虎通り、港区)が使われる見通し。虎ノ門の再開発地区や歓楽街として知られる新橋と近い。祭りの名称は六魂祭とはせず、異なるものにする考え。詳細は近く詰める。
新虎通りは20年の東京五輪では選手村と新国立競技場を結ぶ主要な道路になるとみられている。東京都はパリのシャンゼリゼ通りのように華やかで国際的な通りにする構想を描いている。
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【用語解説】虎ノ門の再開発地区
東京都港区虎ノ門エリアで、複数の再開発計画が集中している地区。霞ケ関の官庁街に近く、オフィス需要が見込まれている。森ビルが手掛ける複合施設「虎ノ門ヒルズ」のほか、ホテルオークラ東京の本館建て替え、虎の門病院や国立印刷局などの建物を解体して高層ビルを建設する計画などがある。地下鉄日比谷線霞ケ関-神谷町間に新駅が設置される予定で、交通の便も向上する。
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