静岡銀行 地方創生の取り組み(1)

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静岡銀行

 ■県や35市町と連携して活性化

 日本のシンボルである富士山を持つ静岡県。県の人口動態を見ると、ピークだった2007年の約379万人から減少傾向となり、40年までに75万人が減少して約304万人となることが推計されている(国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」)。人口動態では東京圏(東京都、神奈川・埼玉・千葉県)への転出超過数が7割超を占め、県外への転出者と県内への流入の差を示す社会減は7561人。これは全国ワースト2位だ。

 こうした中、静岡県では「美しい“ふじのくに”まち・ひと・しごと創生長期人口ビジョン」と「地方版総合戦略」を昨年10月に策定。人口減少を克服して、東京への一極集中に歯止めをかけるため、「オール静岡」で地方創生に取り組んでおり、静岡銀行は県や県内35市町と連携して地方創生に力を注いでいる。

 地域金融機関として地方創生に積極的に関与し、より機動的な対応を図るため、昨年6月、地方創生部を設置。同部が中心となって本部各部やグループ会社と連携し、各種施策の検討と推進を行っている。

 そのスタンスなどについて、若林紀伸・地方創生部理事部長は「これまで培ってきたさまざまな知見を生かし、地方公共団体、産業界、教育機関などと緊密に連携しながら地域の活性化を目指しているが、やはり地方版総合戦略の中では特に『しごと』が重要な要素。ここにどう関わって、地方創生を実現していくかが大きな役割だ」と話す。

 地方創生のキーワードの一つが「広域連携」だ。静岡には県のほか、2つの政令指定都市と33のその他市町があるが、縦割り行政を是正。1市町単位ではなく、共通の魅力や課題などを持った、あるいは地域活性化に資するソフトを共有できる自治体が連携して地方創生に取り組むことで、大きな相乗効果が期待できる。

 そこで静岡銀行は昨年7月、各地の地方版総合戦略の策定に向け、地方創生セミナーを開催した。セミナーでは隣接する市町が課題や問題意識を共有したほか、戦略策定のポイント、定住促進や地域経済活性化のノウハウ、静岡銀行の支援メニューを紹介。地方創生部では「しずおか観光活性化ファンド」を活用した地域振興ノウハウについて説明した。

 9月には県内の市町の首長らが意見交換を行う「地方創生全体会議」も開き、静岡銀行からは中西勝則頭取をはじめ全支店長を含む役職員300人が出席した。

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 (編集協力)近代セールス kindai-sales.co.jp