株主総会ピーク 資本効率のチェック厳しく トップ選任賛成率低下
東京証券取引所に上場する3月期決算企業の株主総会が29日にピークを迎え、全体の約32%にあたる759社が開催した。東証のコーポレートガバナンス・コード(企業統治原則)の導入から2年目に入り、主要取引先の関係者などではない独立した社外取締役を複数選任する企業が東証1部上場企業の4分の3を超える見込み。一方、資本効率が低迷する企業では、経営トップの取締役選任議案への賛成割合が大きく低下するなど株主のチェック姿勢は厳しさを増している。
東証によると、東証1部上場企業で独立社外取締役を複数選任する企業は、3月期決算企業の株主総会が終わった段階で、77.9%と4分の3超に達し、前年(48.4%)より30ポイント近くも高まる見込み。ホンダやNTTドコモなどが新たに複数選任に対応する。
企業の資本効率を示す株主資本利益率(ROE)への関心も国内外の機関投資家を中心に引き続き高い。ROEが相対的に低い企業の場合、社長ら経営トップの取締役選任議案に対する株主の賛成割合が大きく低下するケースがあった。
取締役選任議案への賛成割合は、一般的に9割を超えていることが多いとされる。2016年3月期にROEがマイナス25.8%に落ち込んだ商船三井は21日に株主総会を開いたが、武藤光一会長への賛成割合は74.97%と前年より22.12ポイント低下。池田潤一郎社長も76.65%で、20.82ポイント下がった。同時に選任された他の7人の取締役は9割を超えており、資本効率の低迷に対し株主が経営トップに厳しい姿勢を示した形だ。
一方、株主が議題や議案を提案する株主提案はここ数年、増加傾向にある。三菱UFJモルガン・スタンレー証券によると今年1~6月に株主提案を受けた会社は47社で前年同期より8社増えた。中でも投資先企業に積極的に提言する「アクティビスト型」の株主提案があったのは7社で前年より4社増えた。
株主提案が増えている背景について、荒竹義文法人ソリューション室部長代理は「機関投資家を中心に企業統治への意識が高まっており、経営陣に対して『物言い』をしていくという姿勢の一つだ」と指摘。また、今年に入って海外経済に揺さぶられて日本株相場が低調に推移する中、株主提案をてこに企業にはっぱをかけて株価上昇につなげたいとの思惑もうかがえる。
企業に株主との対話を促す流れが強まる中、株主が経営陣に注文や意見を述べる場面は株主総会に限らず増えそうだ。荒竹氏は「経営陣は自社の企業価値を高める戦略や将来の方向性をしっかりと持った上で、有効な内容であれば株主の意見を取り入れていくのが望ましい」と話している。
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