出光社長再任賛成、薄氷の52.3% 合併への不満、創業家以外にも多数
石油元売り2位の出光興産が6月28日に開催した定時株主総会で、同社の月岡隆社長の取締役再任を決める議案への賛成率が52.3%にとどまったことが30日、出光が関東財務局に提出した臨時報告書で明らかになった。昨年の賛成率は91.6%だった。取締役の選任など通常の議案は議決権の過半数で賛否を決める。業界5位の昭和シェル石油との合併に反対の創業家が主張する持ち株比率は議決権ベースで計約33.9%。創業家以外にも合併を進める経営陣に不満を抱く株主が多数いるとみられ、“薄氷”の再任となった。
創業家は「企業体質の違い」などを理由に代理人の弁護士を通じて合併計画に反対の意見を表明した上で、出光の取締役10人の再任に反対票を投じた。賛成率はほかの取締役9人についても6割前後にとどまった。
経営側は30日、「世間の注目を浴び、(創業家は)高揚感が高まっているとみられるので、クールダウンするのを待って話し合いたい」(広報CSR室)とコメント。増資による創業家の保有比率を希薄化する手段をとらず、理解を求めて対話を継続する考えを重ねて強調した。
出光は公正取引委員会の審査を経て、9月中にも昭シェル株33.3%を取得し、来年4月に合併する計画。臨時株主総会は年末までに開催する予定だ。昭シェルとの合併には、臨時株主総会を開き、合併承認する特別決議に株主の3分の2の賛成が必要。経営側が主張する創業家の持ち株比率は約21.2%。この主張通りなら、否決に必要な3分の1に届かず、合併計画への影響は小さくなる。ただ、創業家以外の反対勢力の存在を踏まえると、経営側の厳しい状況に変わりはない。
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