静岡銀行 地方創生の取り組み(4)
フロントランナー 地域金融■ヴィレッジインクの事業を支援
ヴィレッジインクの事業に投資を行った「しずおか観光活性化ファンド」は、静岡銀行がグループ会社である静銀キャピタルとともに、観光活性化マザーファンドの共同出資者である地域経済活性化支援機構(REVIC)、日本政策投資銀行、リサ・パートナーズと協働して昨年3月31日に設立した。観光活性化マザーファンドと地方銀行が連携して組成した第1号ファンドだ。
県内東部地域の金融機関であるスルガ銀行、沼津信用金庫、富士信用金庫、富士宮信用金庫、三島信用金庫が出資に加わり、出資総額は13億円。無限責任組合員は静岡キャピタルとREVICキャピタルで、両社がファンドの運営管理を行う。
「静岡では一つの社会的使命のもと、県内の金融機関が連携するケースは珍しくない。静岡は海、山、温泉などの観光資源に恵まれた地域。東部地域を見ると、伊豆といった大きな観光資源がある。伊豆の観光活性化という共通の課題に協働して取り組むという使命のもと、東部地域の地域金融機関の皆様との広域連携がなされた」(地方創生部ビジネスプロフェッショナルの松井丈典さん)という。
ヴィレッジインクにはその独創的な事業性を高く評価して、第三者割当増資と社債引き受けにより8000万円を投資した。投資資金の使途としては、キャンプ場や商業施設などの建設・拡張のための設備資金や幹部候補生など人材を採用するための戦略人員資金を想定。REVICに所属する法律や会計、企業経営などの専門家とも連携しながら、ハンズオン型の支援を展開する。伊豆の集客力向上の目玉とするため、事業の成長を積極的に支援していく方針だ。
ヴィレッジインクの代表取締役の橋村和徳さんは、東京の大学を卒業後、テレビ局に入社。営業部門の配属となりクライアントや広告代理店を駆け回っていた。橋村さんは、その人柄と手腕を買われ、ITベンチャーの立ち上げに誘われ参画。2000年5月から、このITベンチャーの営業部門でヘッドを務め、東証マザーズへの上場も果たす。08年3月、さらなる事業拡張のため中国に赴任し市場開拓の陣頭指揮に立つ。この渡中が人生の大きな転機となった。
「国内である程度のシェアを確保できたので、社長から中国マーケットの開拓を任されたのですが、とにかく向こうの汚い空気にはうんざり。食事もまったく口に合いませんでした。本当にバリバリ働いていましたので、東京にいるときは休日、息抜きのため、仲間とよくキャンプをしていました。そんな中で見つけたのが現在キャンプ場をオープンした土地です。中国の生活に嫌気がさしていましたので、思い切ってひそかに温めていた南伊豆を舞台にしたアウトドア事業を始めることを決意し、帰国することにした」のだという。
◇
(編集協力)近代セールス kindai-sales.co.jp
関連記事