静岡銀行 地方創生の取り組み(5)

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「AQUAVILLAGE(アクアヴィレッジ)」

 ■起業家大賞受賞者の成長サポート

 ヴィレッジインクの代表取締役の橋村和徳さんは会社員時代に、自然の中で心身のバランスをとるために、仲間とキャンプによく出かけた。房総半島や三浦半島、そして伊豆半島。区画などが決まった既存のキャンプ場には飽き足らず、自分にとっての理想のキャンプ場探しに明け暮れていたという。

 そんな中で巡り合ったのが伊豆下田に第1号キャンプ場「AQUA VILLAGE(アクアヴィレッジ)」をオープンした土地だった。

 「最初は仲間内でキャンプをしていたんですが、そのうち会社の部下たちも連れて行くようになりました。そうすると、社内の風通しが格段に良くなったんです」(橋村氏)。自然との触れ合いが仕事の活力になるばかりでなく、会社の生産性向上にもつながるということを感じ取った橋村さんは、レジャーとしてのキャンプ場運営に加え、自然体験と人材研修を組み合わせれば、法人利用も獲得できるのではないかと思い付く。

 そして2009年5月、帰国した橋村さんはキャンプ場の予定地を自ら開拓。10年にアクアヴィレッジをオープンした。キャンプ場は1日1組限定で、収容人数は最大150人。料金は、大人1人1万6200円(税込み)/2日間。利用者は、東京から車で約2時間半の距離にある西伊豆の田子漁港から船で上陸する。

 秘境の地にあるこのキャンプ場は、時代も求めていたのだろう。「無人島体験ができる絶景のロケーション」ということが口コミで広がり、すぐに予約がとれないほど人気が出た。

 実は、静岡銀行とヴィレッジインクのつながりはファンドによる投資がスタートではない。同社は第3回「しずぎん起業家大賞」に応募し、「新人賞」の栄誉に輝いた。これにより、静岡銀行グループが事業の成長を支援することを表明し、成長ステージに合わせた各種サポートが随時実施される。

 ヴィレッジインクは11年にキャンプ場の第2弾「REN VILLAGE(レンヴィレッジ)」をオープン。今後も伊豆、長野、佐賀にキャンプ場の新設計画があるという。

 そのほか、橋村さんは企業研修や地域コミュニティーの場などに利用できるシェアスペース「SHIMODA VILLAGE」、食文化の発信や地産地消をテーマにした「下田割烹(かっぽう)えん」なども運営する。

 遊び場、働く場、交流する場、情報発信の場と、地域に人が集う「場」を次々に提供するヴィレッジインク。南伊豆、ひいては伊豆地区全体の活性化につながる事業のさらなる成長に向けて、静岡銀行は手厚いサポートを繰り広げる方針だ。

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 (編集協力)近代セールス kindai-sales.co.jp