日本損害保険協会 地震保険普及や自動運転対応へ尽力

インタビュー

 □日本損害保険協会会長・北沢利文さん(62)

 --会長在任中の1年間で取り組みたいことは

 「お客さまを守るという損害保険が持つ本来の機能をさらに高めていけるように、私なりに最大限の力を発揮していきたい。今は熊本地震の被災者が一刻も早く立ち直れるように、保険金の支払いに最重点で取り組んでいる。地震保険の世帯加入率は昨年3月末時点で28.8%。地震保険制度が創設から50周年を迎えたのを機に、地震保険の普及に一層力を入れたい」

 --加入率を引き上げるための取り組みは

 「地震保険に入るには、火災保険に加入しないといけない。新しく家を買う際に住宅ローンに火災保険と地震保険をつけて契約する事例が増えているが、古い家は未加入のことが多い。賃貸住宅向けの家財を対象にした火災保険の普及率が低い。保険代理店が地震保険をより積極的にお客さまにお勧めできるように働きかけたい」

 --自動運転車の技術革新が進むと、自動車保険の姿はどうなるのか

 「完全な自動運転技術が確立された段階で起きた事故については、今の自動車保険で対応することはできない。車両自体の瑕疵(かし)やプログラムの問題、情報通信の混乱、サイバーテロなどさまざまな事故原因が想定できるからだ。賠償責任に対する考え方が大きく変わる場合には、業界としても被害者を救済できるような新しい法律の制定に向けて積極的に協力していきたい」

 --日銀のマイナス金利政策による業界への影響は

 「市場金利の低下で運用が厳しくなり、積み立て型の保険の新しい契約については販売を中止する会社が出てきた。一方、マイナス金利によって夏以降、新たな投資が増えてくれば、火災保険や賠償責任保険のニーズが高まったり、個人の不動産や住宅の取得が増えれば火災保険のニーズも高まってくる」

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【プロフィル】北沢利文

 きたざわ・としふみ 東大経卒。1977年東京海上火災保険(現・東京海上日動火災保険)入社。東京海上日動あんしん生命保険社長などを経て、4月1日付で東京海上日動社長就任。6月30日付で日本損害保険協会会長就任。長野県出身。