ホンダ、レアアース不使用のモーターをHVに初実用化 中国への依存減らす
ホンダと大同特殊鋼が開発したハイブリッド車の駆動用モーター部品=12日、東京都港区の日本自動車会館くるまプラザ
ホンダと大同特殊鋼は12日、レアアース(希土類)の中でも希少性が高い「重希土類」を使わない磁石を組み込んだハイブリッド車(HV)用の駆動モーターを共同開発し、世界で初めて実用化したと発表した。生産コストの削減が期待できるという。
ホンダが今秋発売予定の新型小型HVミニバン「フリード」に採用し順次、新型車への拡大を目指す。
HVのモーター部品として高温環境で使われる高性能磁石「ネオジム磁石」には、耐熱性を高めるためジスプロシウムやテルビウムといった重希土類が含まれている。ただ中国産への依存度が高く、調達や価格高騰などのリスクもあり使用量を減らすことが課題だった。
今回、大同特殊鋼は独自の製造技術を使い、重希土類を使わなくても耐熱性を一定程度、改善したネオジム磁石の生産に成功。ホンダが新たな磁石に対応し、ローターの形状などを改良したモーターを設計して実用化にこぎつけた。ホンダは「従来品と同等の性能が達成できた。資源リスクの回避につながる」と強調している。
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