出羽桜酒造が2度目の最高賞受賞

Sakeから観光立国
IWC2016SAKE部門の最高賞「チャンピオン・サケ」を受賞した出羽桜酒造の仲野益美社長(中)=7日、英ロンドン

 □平出淑恵(酒サムライコーディネーター)

 7日の七夕の夜、英国ロンドンのパークレーンヒルトンホテルではアカデミー賞さながらの盛大な授賞式が行われた。

 「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)2016」-。1984年から開催されてきた世界最大のワイン審査会だ。全世界から1万3000銘柄もの酒が集まる。

 今年はIWCにSAKE部門が設立されてから10年となったのを記念して、同部門審査会が日本酒の主産地である兵庫県で開かれた。SAKE部門の出品数も過去最高の1282銘柄と、日本以外の団体が主催する日本酒審査会では最大規模となった。

 授賞式では、ワイン部門やSAKE部門の表彰に先立ち、「マーチャントアワード」と呼ばれる優良酒販関係者の表彰が行われる。英国を中心に大規模から小規模、専門店、オンラインとさまざまな形でワインなどを販売している優良企業の代表者が、授賞式に集まったのだ。

 このためワインやSAKEの部門でファイナリストとなり、遠路ロンドンに駆けつけた生産者は、IWCのお墨付きをもって、普段はなかなかアポも取れない優良酒販関係者と同じ会場に居合わせることができる。そう考えると華々しいスポットライトに輝く授賞式会場は、終着点ではなく、新たな出発の舞台であると思えてくる。

 今大会で世界一のSAKEという「チャンピオン・サケ」の称号を手に入れたのは出羽桜酒造(山形県天童市)の純米酒「出羽の里」だった。2008年の純米大吟醸「出羽桜 一路」に続き、何と2回目のチャンピオン・サケ受賞となった。

 最初の受賞のとき、「地元で評価される酒は、世界でも評価されると信じて酒造りをしてきた」と語った仲野益美社長は、日本酒造組合中央会の海外戦略委員長に今年、就任した業界の重鎮でもある。

 前回の08年の受賞のときよりも多くの報道陣に囲まれ、ほほを紅潮させながら、取材に答えていた。ただ今回も「地元、山形の人々に愛情を持って育ててもらったおかげ」と謙虚に語っていたのが印象的だった。

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【プロフィル】平出淑恵

 ひらいで・としえ 1962年東京生まれ。83年、日本航空入社、国際線担当客室乗務員を経て、2011年、コーポ・サチを設立、社長に就任。世界最大規模のワインコンペティション、インターナショナル・ワイン・チャレンジの日本代表。観光庁酒蔵ツーリズム推進協議会メンバー、一般社団法人ミス日本酒顧問などを務める。