クボタとNTT、水環境インフラをAI管理 故障や雨量を予測し“省人化”
クボタとNTTグループが、上下水道や災害対策インフラなどの水環境インフラ分野で、情報通信技術(ICT)を活用した協業を進めている。両社は6月に連携協定を締結した。2020年にもNTTグループの人工知能(AI)技術「corevo(コレボ)」を活用した設備の故障予測などを開始する。“省人化”や低コスト化が期待できるという。
水環境インフラで、両社が今後、取り組みを進めるのは(1)さまざまな機器がインターネットにつながるIoT(2)雨量・水位予測(3)音声認識(4)ビッグデータ(故障検知)-の各分野だ。
5年後実用化目指す
IoTの分野では、クボタはすでに03年から、NTTドコモの第3世代携帯電話回線(3G)を介して、上下水道のポンプなどの設備に取り付けたセンサーで、運転状況や水位などを監視する“見える化”システムを提供している。
新たなIoTシステムでは、水環境インフラに取り付けたセンサーからこれまでのように運転状況や水位の変化などを検知した上で、無料の無線通信を使って通信コストを下げる。
さらに、通常と違う動きをAIを活用してリアルタイムで読み取り、オペレーターに伝えて故障を事前に予測する故障検知も始める。AIで故障を予測する技術についてはすでに2、3年前から確立されており、今後、実証実験も行った上で、クボタでは、4、5年後の実用化を目指している。NTTの担当者は「インフラの故障予測は、故障の直前のメンテナンスだけですむため人件費の削減につながる」と効果を説明する。
一方、雨量予測については、ビッグデータを元にしたAI分析により3日後の1キロ四方の地点というミクロな天気予報を提供できるNTTグループの気象情報会社が、河川の雨量や水位などの予測情報をクラウドを使って提供する。
また、音声認識は、電車の通るガード下と同程度の騒音下でも音声の送受信が可能なマイク技術や、日本語の会話の9割を正確に文字に変換できる技術を活用。送風機などの稼働音で騒音下の作業を強いられる水プラント設備の点検の際に、ガイダンスに従って高性能マイクに話すだけで、設備の稼働状況が文章化されデータベースになるという。雨量予測や音声認識の活用は、すでにNTTにより技術が確立されているため、実証実験も1年程度で済む予定で、18年にはサービス提供を始める見込みだ。
農業分野でも協業進める
クボタとNTTは、農業分野でも協業を進める考え。農業機械の作業状況や営農データをクラウドで結びつけて管理する「クボタスマートアグリシステム」をさらに高度化させる。水環境インフラ分野と同様に、IoTや気象予報などのNTTグループのICT技術を活用。
ミクロな気象予報情報を元にした収穫予測や、センサーを内蔵した農機の故障検知なども18年をめどに実用化する。高精度の農地の地図情報を提供して、将来的には無人農機を使った作業効率化なども検討する。
NTTは、さまざまな企業とICTを通じた協業を進めており、グループ横断プロジェクトとして今後も幅広い分野の企業と提携を進め、高付加価値のサービスや新たなビジネスモデルの確立を目指す。
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