日本企業の植物工場、海外に本格進出 水不足に悩む中東などで受注見込む

 
昭和電工がアラブ首長国連邦(UAE)に納める植物工場(同社提供)

 日本企業が植物工場ビジネスで海外展開を加速している。植物工場メーカーの昭和電工は、丸紅などと連携し、海外に本格進出。昭和電工などでは、土地が不毛で水不足に悩まされている中東など、幅広い地域で受注が見込めるとみて、売り込みを強化する構えだ。

 昭和電工は、丸紅、千代田化工建設と、発光ダイオード(LED)で野菜などを育てる完全人工光型の植物工場を海外販売する。第1弾としてアラブ首長国連邦(UAE)最大の財閥、アルグレアグループ向けに、ドバイで工場を納める。同グループは来年1月から1年ほど実験を行った後、商用の工場建設を判断する方針だ。

 昭和電工が工場を提供するほか、丸紅は営業、千代田化工建設は資材調達や建設をそれぞれ担当する。昭和電工は、赤色と青色の光を一定間隔で交互に照射し、野菜の成長を早める栽培法も併せて提供する。

 中東各国は、レタスなどの葉菜類を輸入に頼っている。昭和電工の工場は、野菜を効率栽培できるだけでなく、水を循環利用し、使用量を最小限で抑えられる点でも適しているという。

 同社の工場は、三越伊勢丹ホールディングスとクールジャパン機構が10月にマレーシアのクアラルンプールでオープンする商業施設でも採用されることが決まっている。国内ではすでに30件程度の納入実績を積み上げているが、「日照時間が少ない北欧・ロシアなど、他の地域からも引き合いが見込める」として、今後3年で20~25件の納入を目指す。

 このほかパナソニックは、シンガポールで植物工場を運営、栽培した野菜を売るビジネスを2014年から展開している。直近ではレタスなど38種類を栽培し、年間生産能力も81トンまで拡大している。国土が狭く、低い自給率にとどまるシンガポールにあって、「自国産や安心・安全のニーズは高い」として、年内に能力を1000トンまで引き上げる計画。これとは別に手掛ける工場の販売でも海外進出を目指す考えだ。