真価問われる「エキスポシティ」 日本一の観覧車開業、施設も出そろう
エキスポシティ内に完成した日本一高い観覧車「レッドホースオオサカホイール」=23日夜、大阪府吹田市(寺口純平撮影)
【ニュースの断面】
万博記念公園(大阪府吹田市)の遊園地跡地に昨年11月開業した大型商業施設「エキスポシティ(EXPOCITY)」で7月1日、高さ日本一の観覧車が回り始めた。これで予定されたすべての施設が出そろい、いよいよ集客力の真価が問われる段階を迎えた。
施設全体の来場者数はおおむね順調で、運営会社の三井不動産によると、5月末までに累計約1400万人にのぼった。開業当初の見込みは年間1700万人としており、担当者は「飲食、食物販を中心に計画通りに推移している」という。
一方、約300あるテナントでは店舗ごとに客数や売り上げにバラツキが出てきた。人気のファストファッション、雑貨店などは好調だが、「関西初出店や、新業態の店舗は、顧客作りに時間がかかっている」という。また8つの娯楽施設では、週末と平日の来場者数に大きな差が生じている。
三井不動産はテコ入れのために4月から、駐車場の無料利用時間を延長。一部の娯楽施設では利用時間や料金体系を大幅に変更し、実質的な値下げに踏み切った。
さらに今後は、万博記念公園や、Jリーグ・ガンバ大阪の「市立吹田サッカースタジアム」など周辺施設と連携して集客を図っていく方針。共同キャンペーンなどを検討している。
これまで主な来場者は吹田市、豊中市など半径10キロメートル圏内の居住者だが、三井不動産ではさらに広域から客を呼び込む考えだ。課題は、「エキスポシティ全体のファンを作っていくこと」(担当者)。同社が全国各地で培った複合施設の運営ノウハウに加えて、地域の特性を引き出し、魅力ある施設を作り上げる手腕が試される。(大島直之)
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