キリンビール 業界内で物流分野の協業を促進
トップは語る□キリンビール社長・布施孝之さん(56)
--個人消費が伸び悩んでいる
「いろんな要因が複雑に絡み合っている。年明け以降円高基調になり、株価も低迷している。インバウンドの爆買いもなくなって、消費税の増税を先送りしたとはいえ、ここに来てイギリスの欧州連合(EU)離脱問題とか、先行き不安が景気や消費マインドに影響している」
--今夏は猛暑予想で飲料の消費は伸びそうだ
「正直1~6月の上期は劣勢だった。さまざまな理由があるが、上期が厳しいのは織り込み済み。後半追い込みでいく。7月に入ってからの売り上げは好調で、新商品も続々出す。普通にいけば前年より市場全体で2、3%は伸びるのではないか」
--47都道府県一番搾りの状況は
「まだ順次出している状況だが、絶好調だ。販売目標を200万ケースまで上方修正したが、もっといく手応えを感じている。手間ひまかけて地域の農産物を使い、地域の文化や気質にあった商品をともに作るという考え方に多くの共感をいただいている」
--ビール類の市場が縮小傾向だ。業界再編は
「市場の縮小がずっと続けば、いずれ4社、5社で経営していくのが多いというのは出てくるだろう。今の時点でたちまち再編はないが、競争と非競争が大事になる。物流分野の協業は各社とも同じ考えでしょう。一方、各社でビールのカテゴリーを伸ばすのも大事だ」
--ビール類の酒税一本化の議論も今後出てきそうだ
「消費税の増税を2019年秋まで先送りするなか、どのタイミングで酒税改正の第1弾がくるのかは注視している。酒税が一本化されるにあたって、製法の定義次第ではメーカーが困る部分も出てくる。酒税が一本化されても、発泡酒や新ジャンル(第3のビール)しか飲まない方もいるので発泡酒などがなくなることはない」
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【プロフィル】布施孝之
ふせ・たかゆき 早大商卒。1982年キリンビール入社。同社大阪支社長、小岩井乳業社長などを経て2015年1月から現職。千葉県出身。