日産自動車 GT-Rで非日常を味わってほしい

インタビュー

 □日産自動車商品企画本部第一商品企画部チーフ・プロダクト・スペシャリスト 田村宏志さん(54)

 --高級スポーツ車「GT-R」に2007年の発売以来の大幅改良を施し、27日発売した

 「究極のドライビングプレジャー(運転の喜び)の追求を掲げ、楽しいクルマづくりを目指した。『GT』の意味するグランツーリスモ(長距離移動用の高級車)として計器類パネル周りに本革を使うなど内装を変え、出力は570馬力と20馬力アップして『R』のレースを意識して速さも追求した」

 --外装が大きく変わった

 「デザイン性も大事だが、全ての形状に機能的な意味がある。馬力が増えたので、車体前部の開口部を広げてエンジンの冷却性能を上げた。空気を多く当てるので空気抵抗は大きくなったが、バンパーサイドの形状をミリ単位で変更するなど全体の空力性能は維持している。ボンネットのラインは折り目を強くした分、ボディー剛性が上がり高速域で変形しないようになった」

 --上級モデルはチタン合金製マフラーを採用し、排気音にこだわった

 「クルマは実際に乗らないと(価値が)分からない。馬力やトルクカーブといった性能には現れない、運転手が興奮する音質など3次元の世界で考えてつくっている。高級スポーツ車が艶やかさなど感情に訴え、生活を豊かにするのが一番の望みだ」

 --車づくりの中でのGT-Rの位置づけは

 「ミニバン『セレナ』など燃費を重視する車種と特性は違うが、ハンドル操作がしっかりしていて気持ちよく曲がることができるという設計思想は同じだ。性能や価格は(市場の主流ではなく)端っこにあるが、顧客からある種の非日常が味わえてよかったという声を少しでも多く聞けたらうれしい」

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【プロフィル】田村宏志

 たむら・ひろし 東京都立大工学部卒、1984年日産自動車入社。商品企画本部でセダン「セフィーロ」の企画担当などを経て、13年4月からニスモビジネスオフィス兼第一商品企画部チーフ・プロダクト・スペシャリストとして「GT-R」を担当。東京都出身。