トヨタ・ダイハツが新興国開拓へ経営一体化 小型で相互補完
トヨタ自動車は、小型車を主力とするグループのダイハツ工業を8月1日付で完全子会社化、課題としている新興国市場の本格的な開拓に向かう。経営をより一体化し、主に小型車の分野で互いに弱点を克服する狙いがある。
ダイハツは1907年の設立で、大阪府池田市に本社を置く。67年にトヨタと業務提携し、98年に子会社となった。軽自動車では2006年度以降、10年連続で国内シェアトップを守っている。
国内やインドネシアでトヨタ車の生産を担い、小型車を共同開発するなどトヨタと連携を続けてきた。ただ「独立した別の会社という意識が強く、経営資源を十分に相互活用できていなかった」(トヨタ幹部)という。
トヨタは比較的大きな車づくりが得意で、小型車が中心のアジア市場で苦戦している。トヨタ単体では軽自動車を生産しておらず、小さな車を安くつくるノウハウが乏しいため、豊田章男社長は「存在感を示せていない」と危機感を抱く。
近年は原油安を背景にスポーツ用多目的車(SUV)などの販売が好調な北米頼みの状況が続き、安定的な収益確保に向けた新興国での展開強化が急務とみている。新興国で環境規制を厳格化する動きもあり、特に小型車の需要が増えていくと予想されている。
英調査会社IHSマークイットオートモーティブの調べでは、小型車の世界需要は10年から15年にかけて、トヨタグループの年間生産台数に相当する約1000万台増えた。今後5年間でも同程度増えると推計している。トヨタは、手頃な値段と優れた燃費性能を両立する小型車に定評があるダイハツの技術を最大限生かしたい考えだ。一方、ダイハツは環境車や自動運転など次世代技術への対応が遅れている。
自動車の技術は日進月歩で、電気自動車(EV)や水素で走る燃料電池車に必要な電動化技術、事故を減らすための安全機能などの開発には巨額の費用がかかる。各社とも研究開発費を増大させており、ダイハツの三井正則社長は「自らの事業規模を超える投資が必要となる」と分析する。
小型車メーカーでライバルのスズキがインドで販売を伸ばしているのに対し、ダイハツは国内や海外の主力市場で落ち込みが目立ち、正念場を迎えている。トヨタが持つ最新技術を迅速に投入できる開発体制の整備を進め、小型車戦略を共有していく方針だ。
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