三菱自、不正体質一掃なければ再建はない 「過去の不祥事、再発防止策は意味がない」

燃費データ不正
会見の最後に頭を下げる三菱自動車の益子修会長兼社長(手前)=2日午後、東京都港区(桐原正道撮影)

 三菱自動車の特別調査委員会は、2日公表した燃費不正に関する報告書で、今回の不正を招いた背景について「過去の不祥事の再発防止策が全く功を奏さなかった」と断じた。過去のリコール隠し問題の教訓が、社内改革に生かされなかったことを裏付けたものだ。三菱自は不正体質の一掃に向け教育強化などを急ぐが、3回にわたる不祥事で失った信頼を回復するのは容易でなく、再建への道のりはなお険しい。(今井裕治)

 調査委は三菱自に対し、再発防止に向けた5項目の指針を示した。(1)開発過程の見直し(2)屋上屋を重ねる制度、組織の見直し(3)閉鎖性を解消する人事制度(4)法規の趣旨の理解(5)不正の発見と是正に向けた取り組み-だ。同日会見した調査委の渡辺恵一委員長は「この指針に基づいて必要な手を打って欲しい」と述べた。

 調査委の報告を受けて会見した三菱自の益子修会長兼社長は「これまでの改革の取り組みが十分でなかった」と述べ、社員の教育や研修の強化などの再発防止策に取り組む姿勢を強調した。

 ただ、調査委の報告書では「働く人の思いが一致しなければ、再発防止策を講じても『仏つくって魂入れず』になるだけ」とも指摘した。三菱自の経営陣に求められるのは、世間に向けた上辺だけの再発防止策をつくるのでなく、社員の意識を変え不正の根絶につなげる施策の立案だ。それをやり抜かなければ、失墜したブランドの立て直しはありえない。

 三菱自は不正で中止した軽自動車の販売を7月から再開したものの、7月の軽新車販売は前年同月比約17%も落ち込んだ。前年水準からはほど遠く、業績に与える影響の長期化は避けられそうにない。三菱自は年内に日産自動車から出資を受けた上で新たな経営体制で再建を目指すが、まずは不正体質を一掃できるかが最大の課題になる。