ゲッティイメージズジャパン 日本市場は5倍以上の潜在力

トップは語る

 □ゲッティイメージズジャパン社長・島本久美子さん(47)

 --デジタルコンテンツの提供では世界最大級

 「1995年に創業し、オンライン上のライセンスビジネスでは草分けだ。専属カメラマンを擁し、報道機関を顧客に映像・動画を提供するほか、世界中の企業や一般向けにコンテンツの著作権販売も手掛ける。200カ国14カ国語で利用され、2億点以上の管理コンテンツから毎秒13ダウンロードされている。2020年東京五輪では公式フォトエージェンシー契約を国際オリンピック委員会(IOC)と結んだ」

 --自由にコンテンツの売買ができるサイトもある

 「2000年から運営するストックフォトサイト、iStock(アイストック)は、規定の審査を通過すれば、プロでもアマチュアでも販売者として画像や映像を世界に発信できる。利用会員は世界で600万人を超え8万人以上が作品を販売している。アイストックにより、アマチュアから専業プロになった人が日本でも出ている」

 --写真ではなく著作権の売買だ

 「利用者は一度購入すれば、使用回数や期間の制限はない。1クレジット1200円と設定し写真によってクレジット数は異なる。撮影者には販売価格の15~45%をゲッティから支払う。例えば、商店街の宣伝広告をつくるのにアイストックで画像を購入すれば、質の高い写真を安心して堂々と使える。カメラマンを雇うより安く、自分で撮るよりずっといい写真が入手できる」

 --SNS(交流サイト)を使えば無料でシェアできる時代だ

 「SNSは競合ではない。出所を明らかにした正しい利用はむしろ歓迎だ。SNSによりゲッティのコンテンツを楽しんでもらうことで、検索ワードや膨大な利用データから市場ニーズを分析している。日本ではなじみのない人も多いゲッティだが、日本市場は5倍以上になる潜在力があるとみている」

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【プロフィル】島本久美子

 しまもと・くみこ 神戸大経卒。1991年大阪ガス入社。その後渡英、ゲーム会社を経て2001年英国のポータルサイト「イメージネット」入社。同社をゲッティイメージズが買収。報道写真事業担当を経て、09年より現職。ゲッティイメージズ副社長と兼務。