栃木銀行テクノポリス支店の稲見寛子さん(2)
フロントランナー 地域金融■とことん悩んで商品を選んでもらう
「仕事も育児も量より質」をモットーに、渉外活動を展開している栃木銀行テクノポリス支店の稲見寛子さん。
具体的な運用提案では、まずは顧客のニーズが保険なのか投資信託なのかを探るために、「資産を残したい人はいらっしゃいますか」と質問。「いずれは残したい」という回答の場合には生命保険の活用も選択肢となるが、「特に残したい人はいない」「増やしたい気持ちのほうが大きい」という場合には投資信託を提案する。
投資信託のニーズがある場合には、必ず分散投資の有効性を説明し、少額での運用であっても分散投資するよう提案する。そのうえでどういう資産に投資するのか、資産ごとにどの商品を選ぶのか絞り込んでいく。
投資する資産の選択の段階では、タブレットを用いて資産ごとの大まかな値動きのチャートを提示し、どのぐらいの値動きなら許容できるのか判断してもらう。値動きを比較したチャートを見てもらうと、運用に消極的だった人でも、「大きく下がることがあっても、回復する力も強い」など、株式や不動産に投資するファンドに興味を持つ人も多いという。
資産が決まったら個別商品を絞り込んでいく。この際にもタブレットを活用。債券であれば、先進国や新興国も含めて5つほどの商品の値動きを提示する。
すると、顧客のほうで気になる商品を2つ3つほどに絞ってもらえることが多いため、その商品の特徴について具体的に説明していき、一番魅力を感じる商品を決定し、理想とするポートフォリオを作っていく。
稲見寛子さんは「お客さまにはとことん悩んでいただきたいと考えています。自分で悩んで購入した商品に対しては興味が湧きますし、記憶に残るからです。そのサポートには時間を惜しみません」と、顧客との対話を大事にする。
一方、資産形成層の運用ニーズをつかむ手段として、稲見さんは「ジュニアNISA」をきっかけとした声掛けを行っている。中高生の子供がいる家庭に対して「お子さまと一緒に今後のお金について考える機会になりますよ」といった提案を行ったところ、興味を持ってもらえることが多くなったという。
今後は「相続や不動産分野について知識を広げ、総合的なコンサルティング力を高めていきたい」と努力を重ね、顧客のために最善の提案を尽くす稲見さんの姿勢は、リテール担当者の模範といえそうだ。
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(編集協力)近代セールス kindai-sales.co.jp
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