医大発ベンチャー・ナノエッグ、髪痩せ改善 NEDO助成で女性用育毛剤開発

 
薬用育毛剤「ふわり」について発表するナノエッグの山口葉子社長

 聖マリアンナ医科大発ベンチャーのナノエッグ(川崎市宮前区)は女性用育毛剤「ふわり」を開発、販売を始めた。加齢に伴う薄毛の原因を探る中で、頭皮の真皮層に分布するコラーゲンが関係していることを発見、独自技術で頭皮と毛髪の双方から有効成分を毛根に送り込み、頭髪環境を改善する。基礎研究と商品開発では新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のイノベーション実用化助成事業を受けた、医薬部外品の薬用育毛剤だ。

 加齢に伴い悩みの種になる一つが頭髪の量の減少だ。男性ホルモンで毛根がダメージを受けて起きる男性型脱毛症と異なり、女性の場合は、加齢により毛髪の太さが細く痩せてしまう「髪痩せ」が起きるため、頭皮そのものが見えやすくなる。

 技術創出型ベンチャーのナノエッグは、2009年度のNEDO助成を得て、髪痩せの仕組みの研究に取り組んだ。

 「植物は大地に根を強く張ることで幹や茎が太くなり、直立できる。皮膚の毛根から生える毛も、皮膚の下の環境が重要ではないかと考えた」と同社の山口葉子社長は振り返る。加齢に伴うしわやたるみの原因として、皮膚のコラーゲン層が薄くなる現象が知られているが、それとの関連を調べると、脱毛や薄毛の人は健常な人よりも真皮層のコラーゲン層が薄く、コラーゲンも細かった。また、マウスの真皮層のコラーゲンだけを破壊したところ、皮膚としては健常なのに脱毛が起きた。これらから、真皮層のコラーゲンを束ねて太くすれば、痩せた髪が太く成長すると考えたという。

 同社は皮膚の自己再生を促すジェル状素材「ナノキューブ」を開発、自社ブランド化粧品などに用いている。今回の研究で、ナノキューブが真皮に存在する繊維芽細胞を刺激することで、結果としてコラーゲンが太く束ねられ、髪の太さも改善することを突き止めた。

 こうした成果からナノキューブのほか、頭皮の血流改善効果のあるセンブリエキス、抗炎症成分のグリチルリチン酸ジカリウムなど有効成分を配合した。

 また、頭皮からだけでなく、毛髪の表面から有効成分を浸透させて毛根部へ届けて育毛効果を向上させる狙いで、泡タイプの育毛剤にした。ボトルの形状やデザインも持ちやすく、育毛剤への抵抗感を下げた。販売目標は発売3カ月で2万本で、40代以降をターゲットに自社通販サイトを中心に展開中だ。(日野稚子)