円高直撃、トヨタが下方修正 通期営業利益見通し1000億円減額
2016年4~6月期連結決算について、記者会見するトヨタ自動車の大竹哲也常務役員=4日、東京都文京区
トヨタ自動車は4日、円高進行を背景に2017年3月期の連結業績見通しを下方修正した。売上高は従来予想から5000億円減額の26兆円(前期比8.5%減)、本業のもうけを示す営業利益は1000億円減額の1兆6000億円(同43.9%減)、最終利益は500億円減額の1兆4500億円(37.3%減)にそれぞれ引き下げた。通期の想定為替レートを1ドル=102円と、期初の105円から円高に見直したのが響く。
通期業績が減収減益となれば12年3月期以来5年ぶりとなる。グループの世界販売台数は前期比0.5%増の1015万台と従来予想を据え置いたが、円高で収益が目減りし、1兆1200億円の営業減益要因となる。
一方、16年4~6月期の連結決算は、円高進行や熊本地震の影響で売上高が前年同期比5.7%減の6兆5891億円、最終利益は14.5%減の5524億円となった。4~6月期の減収減益は東日本大震災で大規模な操業停止に追い込まれた11年以来5年ぶり。
トヨタの業績は円安を追い風に好調を続けてきたが、一転して円高で輸出採算が悪化。熊本地震で生産を一時停止したのも逆風になった。
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