“個性派中小”リオ五輪に熱視線 ゴーグルや水着、独自技術で世界にアピール

 
タバタの競泳用ゴーグルは13人の日本人選手が使用する見通しだ

 【RIO五輪2016】

 リオデジャネイロ五輪は5日午後8時(日本時間6日午前8時)から開会式を行い、開幕する。南米初開催の祭典に、選手を用具面で支えるスポーツ用品メーカーも熱い視線を送っている。その中でも選手の活躍に期待を寄せているのが、独自技術に定評のある“個性派”の中小メーカーだ。大手ほどの販路や宣伝力を持たないこうしたメーカーにとって、世界中の人が見る五輪は自社の存在をアピールする絶好の舞台だけに、活躍を願う気持ちはなおさら強い。

 「用具契約の対象から競泳用ゴーグルだけ外し、当社の製品を使う選手が少なくない」

 競泳用ゴーグルを製造販売するタバタ(東京都墨田区)の販売担当者はそう胸を張る。

 大手抑えシェア首位

 同社は、「VIEW(ビュー)」のブランド名で競泳用ゴーグルを展開。国内ではミズノなどを上回る38%のトップシェアを持つ。

 大手と互角以上に戦えているのは、ほりが深くない日本人の顔に合わせて設計し、徹底的に水の抵抗を減らしているからだ。“日本仕様”の分、海外ではあまり売られていないが、顔立ちの似たアジア地域では模造品が出回るほど人気が高い。リオ五輪の競泳では、日本代表の34選手中、13選手が同社製品を使用する見通しだ。

 同じ墨田区では、水着メーカーのフットマークも五輪選手を支えている。

 2010年にイタリアの競泳水着ブランド「Jaked(ジャケッド)」の国内販売を開始。翌年には、今年4月の日本選手権で200メートル平泳ぎの日本新記録をたたき出し、2大会ぶりの出場を決めた金藤理絵選手と契約した。

 「縫い目がなく、生地の表面がフラットで水の抵抗が少ない」のが売り。最近になって徐々にブランドが浸透し、今年は前年同期比10%増の好調な販売が続く。「金藤選手が目標を達成すれば、自分たちもうれしいし、ブランドも知ってもらえる」と、二人三脚で歩んできた契約選手にビジネスの夢を託す。

 金メダルの実績

 一方、町工場が集積する大阪府東大阪市のメーカーも期待の声を上げる。「SWANS(スワンズ)」ブランドのサングラスや競泳用ゴーグルを開発・販売する山本光学だ。

 1911年に創業し、スワンズを立ち上げてからだけでも43年になる老舗。プラスチックレンズの間に偏光フィルムを挟み、一体成形する独自技術には定評がある。アテネ五輪の女子マラソンでは、野口みずき選手が上下逆さまになったようなデザインのサングラスをかけて金メダルを獲得、大いに話題となった。

 今回は、陸上と競泳で複数の選手が使用する予定。やはり海外にはほどんど進出していないだけに、「選手の活躍は絶好のPRになる」と期待する。(井田通人)