ステイト・オブ・マインド 売れる商品づくり 百貨店と縫製職人、コラボ展開
服やファッション小物の制作を依頼する縫製職人とのマッチングサイト「nutte(ヌッテ)」を運営するステイト・オブ・マインド(東京都渋谷区)が、百貨店「そごう・西武」の自主開発商品「リミテッドエディション エリアモード」と共同で商品開発に取り組んでいる。各店舗の売り場担当者が来店客のニーズにかなうアイテムを提案、ヌッテ登録の縫製職人らが製作に当たる。
高い技術を持つが、大量生産には向かない縫製職人の受注数創出と、売れる商品をタイミング良く展開して来店動機につなげたい百貨店ニーズを満たす仕組みで、9月上旬から順次、コラボ商品として販売するという。
ヌッテは元縫製職人の伊藤悠平社長が昨年2月に立ち上げたマッチングサイトで、縫製職人やデザイン画から型紙をおこすパタンナー、靴や帽子などの職人など、現在は約1000人が登録。依頼者が服や小物の製作注文を投稿すると、仕事内容や納期、金額などの条件が合うと判断した職人が応募する。受注職人には発注金額の8割が支払われる。1日平均20~30件の依頼のうち7割がネットショップなどの販売業者で、成約率は約8割に上る。
ヌッテの狙いを伊藤社長は「アパレルブランドのサンプルや舞台衣装、小ロット生産に携わる縫製職人は個人事業主が多く、工賃が抑えられがちで生計は厳しい。高い技術を有する職人を抱え込む傾向もあり、職人の名前が表に出ることもない。ヌッテで職人の所得向上と技術の継承につなげたい」と話す。
一方のエリアモードは昨年3月、地方店強化を狙って立ち上げた地域限定ブランドで、各店の担当者が地域産品などを取り込んだ商品企画・開発で独自色を出すのが特徴だ。ブランド売り上げの6割が店舗発注品を占める。2年目を迎える中、ヌッテとの協業を持ち込んだ。
売り場担当者の商品企画を元に、地元の縫製職人らが製作に当たる。共同開発アイテムには職人のヌッテ登録名が入った品質表示タグが付く。
そごう広島店など3店舗で6月に行ったテスト販売では、売り場担当者の“売れるデザイン”提案を元に商品開発をしたことで、3店舗とも異なる上衣が完成した。
本格展開となる今秋冬シーズン品は9月上旬の販売を目指しており、13店舗の担当者と地域在住のパタンナーや職人らが製作準備中だ。「店舗の方々は顧客の顔が頭に浮かんでいるのか、企画商品にする思い入れが強い」と伊藤社長。多面的な売り場作りを目指す百貨店とのコラボは、職人技が技術力として再評価される場をも作り出しそうだ。(日野稚子)
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【会社概要】ステイト・オブ・マインド
▽本社=東京都渋谷区南平台町4-8南平台アジアマンション407号室
▽設立=2015年2月
▽資本金=5521万5000円(資本準備金を含む)
▽従業員=13人
▽事業内容=クラウドソーシングサービスの開発・運営
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