採用の「ガラパゴス化」に疑問 経済同友会・天羽稔教育改革委員長

 

 経済同友会は1、2年生が対象となる長期型インターンシップを、本来の意味の「就業体験」と定義付け、企業の間に浸透させたい意向だ。基本的な枠組みをまとめた教育改革委員会の天羽稔委員長は、インターンシップは「あくまで学生を中心に考えたい」と学業優先を強調する。

 --インターンシップの現状は

 「採用に直結し、1日コースなどと称して実施されているのがインターンシップと呼べるか、はなはだ疑問だ。本来の意味と大きくかけ離れている。新卒採用の3割が3年で離職するという現状は、新卒の『一括採用』が学生と企業がマッチングしていないことを裏付けており、インターンシップも含めて、まさに(国際的に通用しない)『ガラパゴス化』が進んでいる」

 --教育改革委メンバー17社が長期型を実施する

 「大事なことは、就職活動を抜きにして実施することにある。学生が就活にどんどん時間を費やされ、しっかり勉強できていない現状はどう考えてもおかしい。インターンシップを通じて1、2年生に働くことに対する『気付き』を与え、4年間しっかり勉強してほしいというのが基本的な考えだ。ところが、日本には1、2年生から将来の働き手として育てるトレーニングがない。(理想としては)米国のように卒業証書をしっかり持って就職してほしい」

 --企業側に求めることは

 「企業が実際に長期型を実施するには、企業側が受け入れる学生の諸費用負担やプログラムを作るなどものすごい負担がかかる。そこは経営トップの判断が重要になる。ただ、インターンシップを通じて学生の企業に対する理解が進み、入社したいという選択肢にもなる。長期型の実施は学生のため、引いては企業のためにもなる」

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【プロフィル】天羽稔

 あもう・みのる 阿南高専卒。ワシントン州立大学工学部修士課程修了。1979年デュポンファーイースト日本支社(現デュポン)入社。2006年社長。会長、名誉会長を経て16年3月退任。デュポン日本法人のトップとしてインターンシップの受け入れ実績は豊富。64歳。徳島県出身。