遊技産業の視点 Weekly View

 □ぱちんこジャーナリスト LOGOSインテリジェンスパートナー・POKKA吉田

 ■本番を迎える「遊技機市場のシフト」

 遊技くぎの回収撤去問題はそろそろ本番だ。2月と3月にメーカー組合である日本遊技機工業組合(日工組)が通知した型式の回収撤去期限が8月末と目前だからだ。6月に通知した最終リストの期限は年末。まずは2つのリストの回収撤去ということになる。

 日工組が通知した回収撤去リストに掲載された型式に属するぱちんこ遊技機は、以後、一切の変更承認手続きを受けることができなくなっている。変更承認手続きとは、構造設備の変更について公安委員会が承認するという仕組みだ。つまり、リスト型式は「もうこれから入れ替えすることもできないし、故障などがあっても部品交換をすることもできない」のである。

 さて、最近、あるいは今後、新規開店するホールがあるが、それらは原則的に回収撤去リスト対象型式を設置していない。「原則的に」とは、回収撤去リストが通知される前に当該型式の変更承認手続き(許可)を終わらせていれば別だが、そのまま実際の営業を開始しないのは単純に損である。よって、これから新規開店する店舗については、回収撤去リスト型式がないのである。

 回収撤去リスト型式は、そのほとんどが「初当たり確率分母320以上」というもの(ほんの少しだけ例外あり)。いわゆるマックスタイプと呼ばれるカテゴリが中でも多く含まれている。これらはギャンブル性が高くなっており、なかなか当たらないが当たると大量の出玉を得る期待感がある設計になっている。

 多くのホールにとっては、これらマックスタイプが収益構造の中心になっていた。それらを期限までに回収撤去となるのだからホールの経営を直撃するのは当然だ。しかし、これから新規開店するホールは「はじめからマックスタイプが存在しない店」なのである。

 ぱちんこ業界は、ギャンブル性を抑制する方向の自主規制を繰り返してきている。果たして、遊技くぎの問題が招いた「マックスタイプが存在しない店」の成績はどのようになるか。私は注目している。

                   ◇

【プロフィル】POKKA吉田

 ぽっか・よしだ 本名・岡崎徹。1971年生まれ。神戸大学経済学部中退。著書に『パチンコが本当になくなる日』(扶桑社新書)など。2016年2月より本名の岡崎徹としてぱちんこ業界紙「シークエンス」発行人編集長。