三井物産 資源メジャーにないビジネスモデル創出
インタビュー□三井物産副社長執行役員・安部慎太郎さん(63)
--液化天然ガス(LNG)の取引形態が変化している
「アジアや中南米などで需要が増え、短期のスポット契約など今後はコモディティー化(一般商品化)が進む。日本向けの安定供給に加え、東京のLNGトレード部隊を段階的にシンガポールに移し、世界市場でLNG販売を強化する。販売先開拓だけではだめだ。自らガス発電所も持つなど需要を創出し、資源メジャーにはないビジネスモデルを立ち上げたい」
--具体的な需要創出は
「米ニューヨーク市で運営に参画するガス発電所向けの燃料調達も始めた。国内のガスが安い場合は調達し、価格が高ければ軽油で発電して発電所の競争力を高められる。米国でシェールガス開発から、パイプライン輸送やガスを使った発電所、化学事業まで展開する。このモデルを他国にも展開すれば、資源価格が大幅下落しても耐久力がつく」
--ガス輸入国のインフラ需要は
「LNG輸入国はコロンビアやブラジル、インドネシア、マレーシアへと広がり、中国やインドも需要が伸びる。船を改造した浮体式の輸入基地や陸上基地のいずれが最適なのか提案したり、ガス供給網のインフラ整備など関連インフラの商機は山ほどある」
--新規の資源開発投資のスタンスは
「前期に資源安で大きな減損損失を計上したが、工夫すれば投資の好機だ。6月に子会社を通じてオーストラリアの資源大手と西豪州沖の海底油田開発事業の最終投資を決めた。資源安で建設コストが下がり、既存の生産設備活用などで投資効率を高めた。オーストラリアのLNG開発事業「ブラウズLNG」は延期したが、モザンビークでのLNG開発事業は探鉱段階から参画し、競争力がある。今年度内には投資決定したい。将来はガスを使った発電や肥料事業など国づくりに貢献できる」
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【プロフィル】安部慎太郎
あんべ・しんたろう 早大理工卒。1977年4月三井物産入社。電力事業部長、常務、専務を経て、2014年4月から副社長執行役員。プロジェクト本部、機械・輸送システム本部管掌。16年4月から、エネルギー第一・第二本部管掌も兼務。東京都出身。
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