池田泉州銀行のものづくり企業支援(6)

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 ■標準化や技術ストック活用を後押し

 池田泉州銀行が展開するものづくり企業へのサポートは多岐にわたるが、最近の取り組みに興味深い2つの事例がある。一つは地元企業の技術・製品に関する「標準化」のサポートだ。標準化とは品質・形状・規格などの標準ルールを決め、それに従って統一すること。従来は製品の互換性の確保、生産効率の向上などが標準化の基本機能だったが、近年では安全・安心の確保や企業の競争力強化の観点から注目されている。

 経済産業省は、新市場の創造や産業競争力強化につながる戦略的標準化の推進のため、迅速な国内外の標準化(JIS、ISO/IECなど)を可能とする新市場創造型標準化制度を2014年5月に創設。池田泉州銀行はこの標準化制度を地元企業に普及させるため、標準化活用パートナーシップ制度のパートナー機関に登録されている。

 今年3月には、同行のサポートによって、アイセル(大阪府八尾市)が提案した「静的流体混合装置(スタティックミキサー)に関する標準化」が、新市場創造型標準化制度を活用して標準化が進められることが決定した。同社の標準化は、パートナーシップ制度に基づく全国第1号案件だ。

 アイセルの静的流体混合装置の技術は、山口大学と共同開発が進められていたもので、11年度にはコンソーシアム研究開発助成金の採択事業にも選ばれている。スタティックミキサーとは駆動部のないラインミキサーで、食品や化学薬品などさまざまな液体や気体を均一に混合する装置。この混合性能の特性評価方法について標準化が図られるわけだ。実現すれば、アイセルの持つ技術・製品が客観的に評価され、市場での信頼性向上や他社との差別化が図られることは間違いない。

 もう1つは技術ストックを活用した地域サポートだ。15年度上期から、過去の助成金受賞企業の技術を「技術ストック提案書」にまとめ、営業店が地元企業に提案する活動を本格的にスタートした。

 採択事業の中でも、汎用(はんよう)性の高い技術を選んで提案書を作成。「営業店の担当者が接点を持ちづらい技術担当の方と面談できたり、社長と技術開発の話ができたりすることで、取引先の事業性を理解するきっかけにもなっている」(石飛光俊・先進テクノ推進部長)という。こうした活動を通じて、助成金受賞企業は自社の技術の販路拡大につながり、提案を受ける地元中小企業は生産性の向上や新事業の展開につながる。受賞企業と地元中小企業の技術を融合することにより、さらなる新技術開発も期待できるわけだ。

 地方銀行にとって地域創生が大きなテーマとなる中、池田泉州銀行の井上基常務取締役・CS本部長は改めて、これまで産官学のネットワークを活用した地域起こしに取り組んできたことで培われたリレーション、蓄えてきた「ノウハウ・情報などを総動員して、大阪・関西の地域特性を生かした成長産業の育成に寄与していきたい」と話している。(*「近代セールス」6月1日号より)

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 (編集協力)近代セールス kindai-sales.co.jp