シンエイ/ウェザー・サービス

ハザードマップ

 ■体制強化で労務費増大、収益悪化

 ▼シンエイ シンエイは7月28日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。

 同社は1939年創業の国内大手の婦人靴卸売業者で、長年の業歴から全国の百貨店、婦人靴専門店などに営業基盤を築いていた。自社ブランド「RIZ」「Marie」を抱えるほか、「ANNA SUI」「NATURAL BEAUTY」などのライセンスブランド、海外のインポートブランドなど中価格帯の婦人靴を専門に取り扱い、豊富なブランドと実績で婦人靴業界では高い知名度を誇っていた。

 ピーク時の93年1月期には売上高約292億9100万円をあげていたが、バブル崩壊以降は市況低迷や消費不振など主力の百貨店の苦戦に伴い売り上げも減少をたどり、2008年1月期の売上高は約197億円と200億円を割り込んだ。

 近年は、オンライン販売などにも注力していたが、デフレや安価な海外メーカーの参入による低価格化で売り上げ減少に歯止めがかからず、16年1月期は売上高101億円にまで減少。17年1月期に入っても業況は好転せず、7月末の借入金の返済のめどが立たず、民事再生法の適用申請に至った。

 ▼ウェザー・サービス 気象情報提供事業のウェザー・サービスは7月27日、事業を停止し、破産手続きを弁護士に一任した。

 同社は付加価値性の高い気象情報サービスの提供で事業を拡大し、千葉市産業振興財団主催の「第3回ベンチャーカップ」で優秀賞を受賞するなど注目を集めた。花粉情報の提供分野が事業拡大に大きく貢献し、花粉飛散シミュレータを使って予測する最先端の超高精密花粉情報が当社の大きなアピールポイントとなり、情報配信を増やした。

 また、2009年11月にはNTTドコモと資本提携し、同社と連携したサービス提供を開始。デジタルサイネージやモバイルコンテンツへの気象情報配信サービスの拡大や官公庁受注の拡大に向けた人員強化も同時に進めてきた。

 しかし、近年は官公庁関連での開発案件の増加などにより受注消化に向けた体制強化を進めたが、労務費増加で収益は悪化していた。14年5月期は売上高2億9673万円に対して2634万円の赤字を計上。さらに、15年5月期には2313万円の赤字となり、資金繰りが悪化し、改善のめどが立たないことから今回の措置となった。

 これに伴い、NTTドコモはウェザー・サービスのデータを使用した「あなたの街の熱中症予防」などのアプリのサービス提供を終了した。(東京商工リサーチ)

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 〈チェックポイント〉

 シンエイは自社ブランドを展開する婦人靴の老舗大手販売業者。知名度も高く幅広く販売チャンネルを広げていた。しかし、主力先の百貨店向け売り上げが大幅に減少する中、リストラの遅れやずさんな在庫管理が露呈した。経営コンサルを入れ改善策も行ったが、後手に回った。早めの対応で歯止めが掛けられなかったか。

 ウェザー・サービスは花粉情報や熱中症情報など、特徴のある情報提供で利用者の拡大を図った。だが、思惑倒れで投資が先行し回収が伴わなかった。同社がアピールしていた同様情報の提供も各方面から広まり、特徴が薄まった。日進月歩の業界で競争力の維持に対する投資バランスが求められている。(東京商工リサーチ常務情報本部長 友田信男)

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【会社概要】シンエイ

 ▽本社=東京都台東区

 ▽設立=1949年2月

 ▽資本金=8800万円

 ▽負債総額=約63億円

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【会社概要】ウェザー・サービス

 ▽本社=千葉県成田市

 ▽設立=1998年6月

 ▽資本金=1億3551万7500円

 ▽負債総額=1億9659万円

 (2015年5月期決算時点)