銀行、カードローン強化 15年末貸出残高、17年ぶり高水準

 

 銀行業界が個人向けのカードローン事業を強化している。日銀の大規模な金融緩和で企業向け融資や住宅ローンの貸出金利が低下する中、比較的高い利ざやを確保できるためで、2015年末の貸出残高は17年ぶりの高水準になった。貸出金利が上昇しない中で、銀行はカードローンへの依存を強めそうだ。

 日銀によると、国内銀行のカードローンの貸出残高は、15年末に前年比11.6%増の4兆9470億円で、1998年以来の高い水準だった。貸金業のイメージ悪化や規制の強化を背景に、銀行はカードローン事業を縮小してきたが、日銀が大規模な金融緩和を導入した13年ごろから貸出残高が急増している。

 金利は借りる人の条件で異なるが、高い場合は年十数%に設定される。年1%を切る水準の住宅ローンなどと比べると、銀行には魅力的だ。

 新生銀行はカードローンを成長分野と位置付け「レイク」などのブランドを展開。15年からアイドルグループのAKB48をテレビCMなどに起用している。辻本慎二コンシューマーファイナンス部長は「主要顧客の20~30代の男性層に親しみやすさを感じてもらえる」と話し、急な出費などに対応できる使い勝手の良さをアピールする。

 ただカードローンは利用開始から時間が経過するにつれて借入額が増え、歯止めが利かなくなる恐れも指摘されている。

 貸金業者は貸金業法で、原則として個人向けは年収の3分の1までしか融資できないが、銀行は対象外。国民生活センター相談情報部の大槻祐子主事は「多重債務者が増えないか注視する必要がある」としている。