■既成概念を覆す、新しいロボットのあり方とは?
□Creators’Bondingとは?
工業用シール剤・接着剤メーカー「スリーボンド」の「創造することこそが、社会への奉仕につながる」という理念を体現する文化支援活動。毎年9月29日(くっつく=接着の日)を中心に、才能と才能を“Bonding”する様々な企画を実施。本連載は、各界で創造性を発揮し活躍する多彩な人々とのインタビューを通じ、“創造”について調査・研究していくマンスリー企画。人と人との絆の大切さを再認識する旧連載「くっつく絆メカニズム」を進化・発展させ、“創造”についての理解を加えることで、技術革新を促進し、新たな表現や文化の創出に貢献していく。
「Creators’Bonding」ウェブサイト www.creators-bonding.com
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□ユカイ工学株式会社代表/ロボットクリエイター・青木俊介
■「人と人を“くっつける”ロボットを通して、幸せな暮らしを届けたい」
今回のゲストは、ユニークなロボットを次々と発表して各界から注目を集める、ユカイ工学代表の青木俊介さん。これからのロボットの意外な役割と未来の暮らしについて、話を聞きました。
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--青木さんは、体感型のデジタルアート作品で今話題のチームラボ株式会社を、東京大学在学中に共同設立しています。なぜ、会社を退職して、ロボットの道へ進んだのでしょうか。
青木:中学生の頃からずっと、ロボットを作りたいと思ってきました。ただ、当時はインターネットがブームで、ソフトウエアの分野が急成長していた頃。大学では人工知能(AI)の研究に携わり、チームラボもインターネット関連で業績を伸ばしていきました。ところが、2005年の愛知万博でロボットが話題になったのを目の当たりにして、いよいよロボットがビジネスになるかもしれないと感じたのです。
--そこからどのようにして、オリジナルのロボットを作っていったのでしょう。
青木:起業した当初は国の補助金を受けながら、さまざまなロボットの開発を行いました。09年には、鳥取県境港市の水木しげる記念館のために、マンガ「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する「目玉おやじ」のロボットを製作しました。スマートフォンとロボットを連動させ、館内にいる妖怪を察知して動くというものです。自社初の製品化は、10年に発売された「ココナッチ」。手のひらサイズで、メールやSNSと連動して人々のコミュニケーションを補助します。
--代表作の「BOCCO(ボッコ)」もそうですが、ユカイ工学のロボットはどれも人間のコミュニケーションの促進に焦点を絞っているように思います。
青木:その通りです。ロボットには人間が感情移入しやすいデザインが重要だと考えています。例えばソフトバンクの「Pepper」は二足歩行をせず、対話などの機能はネット上のクラウドが担っています。必ずしも、すべての機能を搭載する必要はないのです。例えばBOCCOの場合、仕事中など電話ができない時に留守番をしている子供へ連絡するなら、スマートフォンからメッセージを送って読み上げてもらう。帰宅が遅れるという連絡も、メールよりBOCCOに伝えてもらったほうが気持ちも和らぐでしょう。また、話しかけることで照明や家電を操作する機能も搭載しています。まるで座敷童(ざしきわらし)のように、存在自体で家族みんなをハッピーにするロボットを目指したいのです。
--家庭を中心に、ロボットが人と人とを“くっつける”存在になっていくわけですね。
青木:目標は、人間とペットに次いで、みんなに愛されるロボットを作ること。ドアの閉め方などで奥さんの機嫌を察知して、自動的にケアしてくれるようになったら最高ですね(笑)。そんなふうに自分が苦手な部分を補ってくれるよう、どんどん新しい機能を追加していきたい。子供からお年寄りまで、“家族をボンディングするロボット”の実現を目指して、これからも開発を続けていきたいと思います。
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【プロフィル】青木俊介
あおき・しゅんすけ 2001年東京大学在学中にチームラボ株式会社を設立、取締役CTOに就任。02年東京大学工学部計数工学科卒業。07年鷺坂隆志氏とロボティクスベンチャー・ユカイ工学LLC設立。08年ピクシブ株式会社の取締役CTO就任、登録ユーザー1900万人のサービスを立ち上げる。09年東華大学信息科学技術学院(中国・上海)修了。11年株式会社化。15年グッドデザイン賞審査員に就任。
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インタビュー&文=深沢慶太
Interview & Text: Keita Fukasawa
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■ThreeBond
スリーボンド:工業用シール剤・接着剤メーカー。日本/アジア/中国/欧州/北中米/南米と、世界を6極に分けた地域統括制をとり、自動車産業を中心に電気・電子産業、インフラ産業などさまざまな分野でグローバルに展開している。
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