米アイロボット ロボットの潜在能力、フル活用したい

トップは語る

 □米アイロボット最高経営責任者兼共同創設者 コリン・アングルさん(49)

 --日本市場にロボット掃除機「ブラーバ」の新製品を投入した

 「当社のロボット掃除機『ルンバ』は和室の畳などにも対応できる。日本は『ルンバ』の人口当たりの販売が世界最多で、重要な市場だ。『ブラーバ』も2014年の初号機の発売以降、着実に販売を伸ばしている」

 --他社に負けない製品の強みは

 「センサー技術を活用して室内の家具の位置などを正確に把握する検出能力だ。新製品でもこれを生かし、汚れに応じて水拭き、から拭きができたり、スマートフォンとも連携したりするなど機能を充実させた」

 --ロボット掃除機はどこまで進歩するのか

 「壁や天井はともかく、窓を掃除できる製品は作る可能性はある。当社は常に、よりパワフルな製品を作ろうと考えている。住人が外出している間に、部屋を見違えるようにきれいにできる製品を作りたい」

 --改善すべき課題は

 「理想とするのは、全自動で動き、人間が一切触る必要がないロボットだ。『ルンバ』には、掃除のローラーに人間やペットの毛が絡み、定期的に手入れをしなければならないなど課題がある。そうした手間も省けるようにしたい」

 --一般消費者向け市場に集中する姿勢を示している

 「家庭用ロボット掃除機を充実させるためには、産業用・商業用に手を回す余裕はない。ロボットがさまざまな機器とインターネットを通じて連携し、掃除のほか、室温の調整や見守りサービスなどで住民の生活を支える『スマートホーム』を実現させたい。既に世界中で1500万台以上のロボット掃除機を提供しているが、満足はしていない。ロボットの潜在能力をフルに生かしていくのはこれからだ」

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【プロフィル】コリン・アングル

 米マサチューセッツ工科大学(MIT)大学院卒。1990年、ロドニー・ブルックス、ヘレン・グレイナーの両氏とアイロボットを設立。2002年にロボット掃除機「ルンバ」を発売、03年には日本でも発売。米マサチューセッツ州出身。