シニアと介護関連の人材派遣を柱に キャリア・溝部正太社長
労働政策研究・研修機構によると2030年の労働力人口はゼロ成長に近い状況が続くと、14年に比べて787万人減少すると推計されている。一方、総務省「労働力調査」では高齢になるほど就業率が低下するものの労働意欲の高い人は少なくない。このため高齢者は、今後の労働力として注目されている。シニア人材派遣と介護施設向けに看護師、介護福祉士・ヘルパーの派遣・紹介を手掛けるキャリアの溝部正太社長は「高齢化が進む中で、将来自分たちが必要とするサービスをつくっていく」と意気込みを語る。
--なぜシニア人材ビジネスに参入したのか
「以前働いていた大手人材派遣会社でシニア人材派遣事業を提案し、責任者となった。少子高齢化が進み、就労意欲の高いシニアの活用に大きなビジネスチャンスを見いだしたからだ。長期的視点で根気強く、シニアビジネス市場を日本に根付かせたいと思ったが、会社側は短期的な利益追求を求めたことから会社の方針とズレが生じ、09年にキャリアを立ち上げた」
--シニア活用に独自ノウハウを持っている
「シニアは年齢による体力的、身体的な制約があり若い人と同じように働くことはできない。また年金受給に影響しない範囲で働きたいという人もいる。このため特性をよく理解した『シニア活用コンサルタント』を養成している。現在40人在籍し、シニアが対応できる仕事を事業者に提案する。例えば運送会社で梱包(こんぽう)と開梱をシニアが担い、一般のアルバイトが運搬する分業を提案したところ、業務効率が改善され、収益率が向上した。シニア活用コンサルタントを育成するには2、3年かかるが、年率20%の割合で増員していく方針だ」
--看護師や介護関連の派遣がもう一つの柱となっている
「介護施設は増え続けているが、人手不足が加速度的に進んでいる。これを解消するため、子育てなどの事情で病院などに勤めていない看護師、ヘルパーらを施設に派遣・紹介している。各自の事情に合わせた就労を提案することで潜在的な労働力を掘り起こしている。未就労の潜在看護師は71万人、同じく潜在ヘルパーは228万人とされている。こうした人材を有効活用することが、介護施設の採用難解消の有力な手段となる」
--成長戦略について
「毎年安定的に30%ずつの売り上げ増を目標としている。だれでも年齢を重ね、いずれはシニアに達する。シニアだからできないという仕事はなくなる。将来的にはシステムエンジニアなど、IT人材の派遣も有望だ。また建築分野の資格保持者など、付加価値の高い仕事を担当できる人材の登録を促す。介護関連事業についても、全国21カ所に拠点を設けているが、さらに地方都市にも広げていく」
◇
【プロフィル】溝部正太
みぞべ・しょうた 東洋大経済卒。2003年アサンテ入社。キャリアマート取締役などを経て、09年10月キャリアを設立。同12月取締役、11年10月から現職。35歳。千葉県出身。
◇
【会社概要】キャリア
▽本社=東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル40階
▽設立=2009年4月
▽資本金=1億5455万円
▽従業員=183人 (16年6月末時点)
▽売上高=73億9700万円 (16年9月期予想)
▽事業内容=人材派遣・紹介
関連記事