「やま」「まち」つなぐ森林サイクル促進
eco最前線を聞く□イトーキ ソリューション開発本部Econifa開発チーム・小島勇氏
イトーキは、森林資源の有効活用と環境保全による持続可能な社会に向け、国産材の利用を推進している。この一環として「やま」で育った木を「まち」で使うという家具製作を通じた森林サイクルを促進する地域材活用ソリューション「Econifa(エコニファ)」を展開し、森林による二酸化炭素(CO2)吸収量の増加と、まちでの木材利用によるCO2固定量の増加に貢献。地域経済の活性化にも寄与していく。そこでソリューション開発本部Econifa開発チームの小島勇氏にエコニファ推進の狙いや展望を聞いた。
◆地域材で山村活性化
--エコニファを始めたきっかけは
「エコニファとは環境の『エコ』と、日本の森林で多くを占める針葉樹の『コニファ』を掛け合わせた造語で、地域の木材を家具やインテリアに使って、過疎化が進む山村などの産業活性化につなげるのが狙い。つまり『地域の木材を使う』が趣旨だ。2010年の『公共建築物等木材利用促進法』施行にあわせて、国や地方自治体が建築物に木材を使うようになったこともあって、同年から公共建築・オフィス空間に国産材による家具などを順次投入していった」
--森林循環の仕組みは
「やまで育った木を、まちで使うことでCO2を固定化できるので地球温暖化防止につながる。伐採しないと木も年を取りCO2吸収量が減少するし、根も弱くなり土砂崩れを起こしかねない。そこで、使うために伐採して、若い木を植えて、育てて、収穫するという森林サイクルを円滑にすればCO2削減に寄与する循環をつくることができる。同時に、やまとまちが木材の利用でつながり地域的循環も再現できる。森林保全と資源活用につながる」
--地域材活用は進んでいるのか
「昨年は1都6県と地域材を使った製品開発で連携した。このうち石川県とは県特有の能登ヒバを使ってベンチなどを開発した。東京都では多摩ヒノキ、千葉県ではブナ科の照葉樹マテバシイを使った。この木は重くて硬いため炭や魚礁ぐらいしか使い道がなかったが、木目が美しいので壁などの内装材として利用促進していきたい」
◆デザインや工法に幅
--日本の伝統技術、デザイン性が生かされている
「20年の東京五輪・パラリンピック開催を見据えて技術力とデザインをアピールしていきたい。静岡県では『VIELECK(ヴィーレック)』というヒノキ材による正五角60面体のユニークなデザインが特徴のベンチを開発した。日本の『かまくら』をイメージしたデザインで遊び心あふれるプロダクトが生み出された。木材の変質を防ぎ、寸法の安定性を図るグレオキザール処理技術を活用することにより、デザインや工法の可能性を広げることができた」
--ビジネスの可能性は
「東京・京橋の『イトーキ東京イノベーションセンターSYNQA』には国産材をふんだんに取り入れており、使い勝手や耐久性の実証実験の場になっている。今年11月で丸4年になるが、例えば床のフローリングを土足で踏み続けるとどうなるのか、汚れたらどうやって清掃すればいいのか、その成果を顧客に提案できるようになった」
--エコニファの売り上げは
「右肩上がりで増えており、顧客も官庁から民間に広がった。とくに森林を事業活動のためやCSRとして保有する企業から『見える化』の一環として地域材を使った製品を使ってもらえるようになってきた」(松岡健夫)
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【プロフィル】小島勇
こじま・いさむ 国立鶴岡工業高等専門学校卒。1986年岡村製作所入社。96年退社後もオフィス家具や店舗用道具の企画デザイン設計を中心に活動。2007年イトーキに入社し伊藤喜商貿(上海)。11年から現職。51歳。山形県出身。
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