SNS活用による取引先支援(4)
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■助成金情報提供で融資獲得に成功
大阪信用金庫の「だいしんなんでもネット」は、会員企業の橋渡し役となって画期的な新商品の誕生も支援している。
会員企業のフタハシ技研は、物流倉庫内の設備効率化などを提案し、他社にない商品を製造販売している。その一つが「プラットホームクッション」。トラックやトレーラーが頻繁に発着する荷物積み込み場の接岸部は、車と接触して破損することが多い。そこでゴム製のプラットホームクッションをトラックとの接岸部に緩衝材として装着するのだが、フタハシ技研は原材料となるゴムの価格高騰に悩んでいた。
そうした中、フタハシ技研はだいしんなんでもネットのプロフィルページで、同業のやまつを見つけバーチャル名刺交換。両社の経験や技術力を持ち寄り、少量のゴムで耐久性に優れる商品の開発に成功。商品は非常に好評を博し、大手物流倉庫でも採用が決定したという。
その後も両社は二人三脚で商品開発を継続し、取り付けボルトの見えないプラットホームクッションを完成させた。これは取り付けボルトの影響によるゴム本体の亀裂という問題点を克服した商品で、さらに低コストで耐久性のある商品に仕上がっている。
一方、だいしん総合研究所が最近力を入れているのが情報提供サービスで、2015年度の情報発信件数は500件を超えた。その内訳は助成金情報が32件、大阪ものづくりB2B情報が276件、大阪商工会議所ビジネスマッチング情報が161件、その他ビジネスマッチング情報などが50件となっている。
助成金の情報提供は、金庫として特に積極的に取り組んでいる分野だ。金庫では「助成金徹底ガイド」という小冊子を毎年作成し、6月ごろ取引先に配布している。ただ、国・自治体とも、6月以降に補正予算などで追加的に支給などが決まる補助金や助成金も少なくない。そこで、そうした補助金・助成金は、だいしんなんでもネットから、「助成金エクスプレス」として情報発信しているという。
また、土地柄も手伝い、ものづくり補助金は地元企業の間で非常に関心が高い。大阪信用金庫は毎回採択件数で地域の支援機関の間で五本の指に入る実績をあげているが、その背景にあるのは、ネットでのタイムリーな情報提供と個別相談会の案内。大阪府立大学と産学連携している強みを生かし、ものづくり補助金の申請支援に強い専門家を招いた個別相談会を実施している点も見逃せない。
ものづくり補助金の申請支援は融資の獲得にも大きく貢献している。今年に入ってからも、大口の肩代わり融資に成功。その企業は新規開拓先で、補助金申請を計画しているという情報をつかんだ営業店が個別相談会に勧誘し、申請を支援した。結果は不採択に終わったものの、一連の対応に経営者は誠意を感じ、2億1000万円の融資を大阪信用金庫に移したという。
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(編集協力)近代セールス kindai-sales.co.jp
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