アドイン研、森林再生システムと実現 森林3次元計測 短時間で正確
人工知能(AI)関連の技術開発ベンチャーのアドイン研究所(東京都千代田区)は、森林資源に関するコンサルティングを手掛ける森林再生システム(同)と共同で、レーザー光を使った森林3次元計測システム「OWL(アウル)」を開発した。従来の人手による調査と違って、スギやヒノキなどの立木の位置や太さ、高さなどを短時間で正確に計測できる。
OWLは、伸縮可能な一脚とその上部にある赤外線レーザー照射装置からなる。重さは3.7キロで、一脚と装置は着脱可能。
装置の長さは1メートル2センチ~1メートル97センチに縮めて運搬できる。地面につえをつくようにOWLを設置する。装置には傾斜センサーが内蔵されており、傾きなどを自動補正する。
装置のスイッチを押すと45秒間、赤外線レーザーが水平方向に180度回転しながら照射。装置から30~60メートルの範囲にある立木の太さや高さや位置などを捉える。20メートル四方なら約15分で計測でき、専用の解析ソフトにより約5分で3次元画像データに生成する。
また生成した3次元情報を使って、任意の立木を伐採した間伐シミュレーションもできる。
森林内の様子を3次元で再現できるため、「森林管理業者が、都市部に住む山林所有者に対して、森林内の状況を具体的に説明できる」(アドイン研究所の佐々木浩二社長)という。
これまで森林の生育状況を把握するには、巻き尺など人手による調査が一般的だが、20メートル四方で2時間以上かかっていた。人工衛星や航空写真を使った調査もあるが、森林内部の植生状況まで調べることは難しかった。また計測の際、基準マーカーと呼ばれる目印を測定前に設定する必要があったが、OWLの場合はその必要がない。このため、装置を持ち歩くだけで簡単に森林内部の植生状況を調べられる。
国内の年間木材需要量(約7500万立方メートル)に占める国産材の割合は約30%にとどまる。後継者難や過疎化による林業の衰退、輸入材の普及で国産材の普及が広がっていない。ただ戦後造成された人工林を含む森林資源量は約40億立方メートルもあり、計算上は国内の需要は国産材で賄えることになる。
政府は5月、2025年の国産木材の供給量を14年実績の約1.7倍に当たる4000万立方メートルに増やす目標を掲げた森林・林業基本計画を閣議決定したが、実現のためには森林資源を正確、かつ適切な管理が不可欠となる。OWLは人手が主流だった森林資源の調査に大きな変化をもたらすとともに、国産材の活用拡大を後押ししてくれそうだ。
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【会社概要】アドイン研究所
▽本社=東京都千代田区紀尾井町3の6 紀尾井町パークビル
▽設立=1986年4月
▽資本金=8800万円
▽社員数=25人
▽事業内容=人工知能(AI)やロボットに関する技術の開発
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