フリマアプリのファブリック、楽天傘下に 利用者拡大へ手数料無料化

 
ファブリックの堀井翔太社長

 ネット上での個人間取引の場として登場し、利用者が急増中のフリマアプリ。国内初のサービスとなった「フリル」を運営するファブリックは、楽天に全株を譲渡し、先月末完全子会社化された。ファブリックは楽天への合流を機に年内には出品手数料の無料化とテレビCMの展開で認知度を向上させ、利用者のさらなる獲得を狙う方針だ。

 フリマアプリはオークションサイトとは異なり、出品者が提示した価格で取引を行うため、出品者にとってはオークションサイトよりも取引に時間がかからないのが特徴だ。ファブリックが2012年、フリルを投入したことで新市場が誕生した。堀井翔太社長は「若い女性はオークションに関心はあってもパソコンを持たず、携帯電話のオークションは使いにくいと思っていた。スマートフォンも普及し始め、スマホアプリとして提供するのが良いと考えた」と話す。スマホで簡単手軽にできるとあって、10代、20代の女性から火が付き、現在フリルではファッションアイテムやコスメ、手芸作品などが流通する。

 だが、「参入が相次ぎ、市場競争は苛烈になった。フリマアプリの乱立が利用者にとってはどこを選んでも同じというコモディティー化を招いた」(堀井社長)。国内のフリマアプリの月間取引高はフリルが3位、最後発の楽天の「ラクマ」が2位。トップはメルカリの「メルカリ」で100億円に達する。

 今回の楽天への合流で経営資源を得たファブリックは利用者獲得に向け、取引が成立した出品者に課す手数料(取引額の10%)を無料化する。これは兄弟アプリとなったラクマが採る戦略だが、「利用者にとって経済合理性が高まる分、フリルを選ぶ理由になる」と堀井社長は期待する。無料化と同時にテレビCMで認知度向上を図る。

 フリルでは代金のやりとりの間に同社が関与するが、堀井社長によれば不要品が現金化された気軽さからか、出品者は売り上げの4割をフリル内での買い物に使う。海外では、フリマアプリでの売り上げを電子マネーやポイントに変換し、公共料金や飲食店の支払いに流用する動きも広がる。「差別化のためにも、将来的にはアプリ内で止まっている現金をより自由に、使いやすくすることで利便性を上げる仕組みを導入したい」という。オークションを閉鎖し、個人間取引の資源をフリマへ集中させた楽天とともに、市場の覇権奪取に取り組む。

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【会社概要】ファブリック

 ▽本社=東京都渋谷区広尾1-13-1

 ▽設立=2012年4月

 ▽資本金=5億1847万円

 ▽従業員=90人

 ▽事業内容=フリマアプリ「フリル」、バイクフリマアプリ「ライド」の企画開発、運営