出光、昭シェル株取得を延期 公取審査遅れ 合併時期変更せず
昭和シェル石油との合併計画をめぐり、創業家との対立が続いている出光興産は7日、これまで9月中を予定していた昭シェル株の取得時期を「10~11月」に延期すると発表した。公正取引委員会による審査が想定より長引いているため。来年4月の統合時期は変更しないものの、統合の行方は不透明さを増している。
出光は、昭シェルの親会社の英蘭系石油メジャー、ロイヤル・ダッチ・シェルから昭シェル株33.3%を相対取引で取得する計画。公取委は、8月に最終合意したJXホールディングスと東燃ゼネラル石油の経営統合に関する審査も並行して進めていることが遅れの原因とみられる。
一方、出光の創業家は昭シェル株取得阻止に向け、創業者の長男の出光昭介名誉会長が昭シェル株約0.1%を取得。昭介氏の持ち分と出光が取得する株数を合わせると出光関係者の保有比率が3分の1を超えるため、「金融商品取引法の規定上、相対での取引はできなくなる」と主張している。
経営側は、金融庁など関係当局と協議を続けるとともに、取得比率を引き下げて取得することも視野にロイヤル・ダッチ・シェルと調整を急いでいる。
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