シャープ、米で住宅用太陽光再参入へ 鴻海と連携し海外巻き返し
経営再建中のシャープが、2017年にも米国の住宅向け太陽光事業に再参入することが9日、分かった。節電システムと組み合わせて太陽電池を販売する。14年に撤退していたが、親会社となった台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の意向を受け方針転換した。このほかアジアで家電や携帯電話を販売するなど、鴻海と連携して海外展開を加速させる。
米国では現在、事業所向けに蓄電池を使って電力使用量を抑えるシステムを売り込んでいる。これを家庭向けに応用し、高効率の自社製の太陽電池とセットで販売する計画だ。
シャープの太陽光事業は、16年4~6月期に63億円の営業損失を計上するなど赤字が続く。リストラ策の一環として海外からの撤退を進め、国内に注力していた。一時、事業売却も検討したが、鴻海の生産力や販売網を生かせば黒字化が可能と判断し、事業継続を決めた。
モンゴルやフィリピンなどで大規模太陽光発電所(メガソーラー)を建設するほか、台湾や欧州の住宅向け販売も進める。
家電事業では、鴻海の販路を使って調理家電「ヘルシオ」などを東南アジアに売り込む。台湾では7月、鴻海の傘下企業を通じてシャープブランドのスマートフォンを4年ぶりに発売した。アジア諸国でさらに商機を探る。
他にも、トルコ企業に譲渡した欧州の家電事業や、スロバキアと中国企業に売却した欧米のテレビ事業の買い戻しに動くなど、海外での巻き返しを図っている。
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