小林製薬「ナイシトール」シリーズ 脂質の燃焼促す、男性向け漢方薬

 
ナイシトールの開発にかけた思いなどについて話す小林製薬の福田覚さん

 ≪肥満対策≫

 小林製薬の肥満症対策薬「ナイシトール」シリーズは、18種類の生薬を配合し、おなかの脂肪の分解や燃焼を促す錠剤の漢方薬だ。中高年男性から支持され、2006年3月の発売から10年間で累計出荷が2000万個を超えるロングセラー商品に育った。

 発売当時、内臓脂肪型肥満と高血圧、高血糖などを併発する「メタボリック症候群」が社会問題化していた。シリーズの開発を担当する福田覚さんは「男性向けの肥満症対策薬は目新しく、おなかの脂肪を気にする中高年男性から注目され、好調な滑り出しだった」

 15年9月には、シャクヤク、サンシシなど生薬の成分を一般用漢方製剤の承認基準内で最大量配合した「ナイシトールZ」を投入。4カ月で初年度年間販売目標の4億5000万円を達成した。

 新商品の開発に向けて14年に30歳以上の男性1万2000人を対象に調査したところ、肥満を改善しようと食事制限や運動習慣に取り組む人が、シリーズ発売時よりも大幅に増加していた。一方、厚生労働省の調査によると、40代男性の肥満率は12年が36.6%と過去最高だった。「努力しても思うような成果を出せず、試行錯誤する姿が見て取れた」

 開発チームは「本気でがんばる人を、全力で応援する商品にしたい」との思いで、有効成分を増やして効果を重視した設計にすると決断。315錠入り(3週間分)で希望小売価格は6480円とやや高額だが、福田さんは「社内で高すぎるのではないかと懸念する声もあったが、信念を貫いた」と話している。