トヨタ 次の主流へ PHVの価値アピール

現場の風

 □トヨタ自動車製品企画本部 ZFチーフエンジニア・豊島浩二さん(55)

 --家庭用電源で充電するプラグインハイブリッド車(PHV)「プリウスPHV」の新型車を今冬発売する

 「2012年に発売した現行車は(電気だけで走る)航続距離が26.4キロと短いうえ、外装もハイブリッド車(HV)と変わらず、価格差ほどの満足感を得られなかった。充電には家庭用電源の工事が必要で、販売店が売りにくいこともあり、7月末時点の累計販売は約7万5000台にとどまった。新型車は航続距離を60キロ以上に延ばし、外装も(左右各4つ眼フロント照明など)一目見て違う。プリウスの最上位モデルとして上質感をだした」

 --HVが主流の国内市場になぜ投入するのか

 「50年先を見据えると、エネルギーの多様化に対応する必要がある。水素で発電する燃料電池車(FCV)を投入しているが、水素ステーションの整備などがあり長い道のりになる。現在のインフラを使えるPHVを次の主流にしたい。アクセルを踏んでからスーッと加速する電気の走りや、(長距離は)ガソリンと使い分けられ、外部給電もできるなど新しい価値をアピールしたい」

 --普及の見込みは

 「HVは10万台、100万台、250万台と販売が増えて普及し、CO2(二酸化炭素)削減に役立っている。PHVは(累計販売)10万台に近づいたので、新型車は(次の全面改良までの)モデルライフ全体で100万台を世界で売りたい。そこまで改良を続けていく」

 --ルーフに太陽光パネルを搭載し、充電できるシステムを搭載する

 「充電という余分な仕事から顧客を解放するのがわれわれの目指すクルマだ。(大気中のCO2濃度に影響を与えない)カーボンニュートラルな太陽光で充電し、電気で1日平均2.9キロ走る。年間では1000キロになり、走行距離が1万キロの利用者は燃費が1割良くなることになる」

                   ◇

【プロフィル】豊島浩二

 とよしま・こうじ 大阪大工卒。1985年トヨタ自動車入社。ボデー設計部や製品企画室、欧州向け商用車のチーフエンジニアを経て2011年11月から次世代環境車をとりまとめる「ZF」にてプリウス、プリウスPHVのチーフエンジニアを担当。大阪府出身。