iTunes日本法人に追徴120億円 アップルのアイルランド子会社利益
米IT大手アップルの子会社で日本法人の「iTunes(アイチューンズ)」(東京都港区)が音楽・映像配信サービス「iTunes」のソフトウエア使用料をめぐって約120億円の追徴課税を受けていたことが16日、分かった。東京国税局が源泉所得税の徴収漏れを指摘した。同社は既に全額納付したもようだ。
関係者によると、国税局はiTunesからアイルランドのアップル子会社に移った利益の一部を、源泉徴収が必要なソフトの使用料に当たると判断したとみられる。
日本国内では、アップルジャパン(東京)がiPhone(アイフォーン)を販売し、利用者が支払う音楽・映像配信サービスの手数料はiTunes社に入る。
国税局が調べた結果、iTunesからアップルジャパン経由でソフトの著作権を持つアイルランドの子会社に多額の利益が移っていたが、日本の税法で所得税を源泉徴収しなければならない使用料(ロイヤルティー)の名目ではなかった。
このアイルランド子会社はアップルの関連会社(シンガポール)を経由してアップルジャパンにiPhoneを販売。アップルジャパンの仕入れ値はiPhone自体の価格にソフト使用料を合算した額に相当することが判明したという。
このため国税局は一連の資金の流れが実質的にアイルランドの子会社へのソフト使用料を含んでいると判断。使用料を2014年までの約2年間で約600億円と認定し、源泉徴収漏れを指摘したとみられる。
信用調査会社によると、iTunesは2005年に設立。15年9月期の売上高は1522億円。
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