レンタル収納のエリアリンク、シェア増へキティとコラボ
レンタル収納スペースを運営するエリアリンクは、ブランド認知度向上とユーザー獲得を狙い、サンリオとライセンス契約を締結し、人気キャラクター「ハローキティ」を看板に採用した物件を拡大している。エリアリンクは自社物件に加え、同業者向けに募集や運営を代行する受託サービスを展開することで、業界シェア1位の座を堅持する方針だ。
同社のレンタル収納スペース「ハローストレージ」はコンテナ型のほか、ビルや木造2階建て型など立地に合わせてさまざまな形式を採用。今年6月末で6万6923室となり、シェアは14%程度。利用者はインターネットで物件を探すことが増え、数年前は現地の看板を見ての問い合わせが7、8割で、残りがネット経由だったが、現在は「数字が逆転し、ネット経由がメーンとなった」とストレージ本部運用担当本部長の鈴木貴佳取締役は話す。
利用者の6割が個人契約で法人よりも多いことから、他社との差別化を図るために採用したのが、ハローキティだ。ハローキティとのコラボを通じてブランド力の向上を期待する。同社物件は1拠点当たり平均45室で、約1350の全拠点での展開に向けて順次、看板などの掛け替えを実施している。
また、募集や物件管理、契約や集金業務といった運営ノウハウを活用し、同業他社の物件運営を受託する「らくらく運営代行サービス」を6月から開始。「一定規模以上になると、個人事業主や中小規模事業者は募集がうまくできず、空き物件が増えてしまう傾向にある」(鈴木取締役)。こうした事業主から物件を引き受けることで、エリアリンクも潜在客の掘り起こしができるとみている。現在は「ストレージ王」(千葉県市川市)の所有物件の一部を受託しており、2023年末の受託件数1000件が目標だ。
レンタル収納スペースは住宅や職場が手狭だったり、荷物や在庫が増えたりすることで需要が発生するほか、近親者の看取りに伴って遺品処分方法を検討している間、使用するケースも増加。今回の取り組みで自社物件と受託物件を合わせ、25年にシェア50%を目指すという。
関連記事